平野憲一の株のお話

来週の相場。

おはようございます。
 週末11日のNY株。
 前日変則的な反応をしたECBの追加緩和策に対する見直し買いが入る予想通りの展開となりました。大幅反発です。ダウは218.18ドル高の1万7213.31ドル、ナスダックは86.31ポイント高の4748.47ポイント。NYSE出来高は9億9740万株。
 追加緩和はせいぜい預金金利のマイナス0.3%からマイナス0.4%への下げと予想され、プラスαがあっても、資産購入規模を現行の月額600億ユーロから700億ユーロに上げるくらいだろうと言われてきたECB追加緩和策ですが、出たのは預金金利は予想通りですが、資産購入規模は月額800億ユーロへ、さらに政策金利0.05%をゼロへと言うかなりのサプライズのあるものでした。更に人々を驚かせたのは、量的緩和の買い入れ対象を、今までの国債と地方債だけから社債(金融機関を除く投資適格社債)にまで広げた事です。記者会見では、追加の利下げを想定していないと発言した為、当日欧米株は売られましたが、ドラギ総裁の発言は当然の事です。これだけの政策を出した直後に更なる緩和策を示唆するなどあり得ない事ですね。いくらなんでもそれはやり過ぎになる。当然の会見内容だったのではないかと言う気持ちで昨日のブログを書きました。そんな気持ちは、筆者だけでは無く、多くの投資家が持ったと思います。予想通り正常に戻った週末の欧米株でした。

 日本株。
 メジャーSQの週が終わりました。デッドラインを死守できたことでほっとしています。今後の事(日本やアメリカに大量の配当資金が入る)を考えると、売り方にとっては残り少ない攻撃タイミングだったからです。日経平均15000円で、買戻しによる底打ちを見せても、17000円では新規買い資金が入ってこないと言う不透明な時、戻りの中間揉みあいだった16000円―16300円を切ると、再び相場は崩れ、下げに入って行く環境だったからです。攻撃力を増す事の出来るSQの週が最適タイミングでしたが、結果的には失敗に終わりました。
 さあ、買い方反撃の番ですが、だれが買うかです。GPIFは買い上がる事はしません。誰か?それは外国人投資家だと思います。外国人投資家は、昨年11月後半から15週連続売り越しですが、変化の兆しが見えます。今までまったく動いていなかったロングオンリーのあるファンドが久々に買ってきました。資金を縮小していたあるファンドは再び資金を集め始めました。勿論両者は日本株専門ファンドです。外国人投資家の一部分の事かも知れませんが、これらの動きがじわり広がってくると、相場もじわりジワリと上がってくるような気がします。意外に、17000円台を買い上がるのは、不安感から抜け出せず新規資金を投入出来ない強気派では無く、空売りを貯めている弱気派ではないでしょうか。
 それを決める重要イベントがECB理事会で終わったわけではありません。来週14-15日、15-16日と連続する日銀政策決定会合とFOMCがあります。緩和の日本と、利上げのアメリカと言う正反対の金融政策なので、その内容と言うよりも、それを評価するマーケットセンチメントが、当日に楽観的になっているか、神経質のままなのかにかかっています。非常に重要な局面です。
 また、同じ結論ですが、どうせ暮らすなら穏やかな個別株の世界が良いですよ。明日のブログで銘柄の話をします。

 来週の日経平均予想レンジ 16700円―17500円。

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