平野憲一の株のお話

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まだ予断は許されない。

おはようございます。
週明け20日のNY株。
ダウは129.71ドル高の1万7804.87ドル、ナスダックは36.87ポイント高の4837.21ポイントと反発。NYSE出来高は9億0864万株。
欧州株の軒並みの大幅高を受けて買い先行となり、一時は上げ幅が270ドルを超えました。しかしその後は、イエレンFRB議長の議会証言を21、22両日に控えて、様子見ムードとなりました。

日本株。
英国の直近の世論調査で、残留派が離脱派を上回った事で、欧州株価は軒並み3%を超す大幅上昇となりました。市場はリスクオンになって、日本株の決定要因の1つであります原油先物は続伸しました。しかし、離脱優位でポンド売りドル買いのポジションが積みあげられていた為、その解消でドルが売られました。ドル円は再び103円台でこちらは日本株にとってマイナスです。
昨日予想以上の大幅な買戻しとなりましたが、出来高が示す通り、まだ新規買いは入って来ないようです。今日も、欧米株の反発や原油高は好材料ですが、ドル円の103円台は市場のムードを冷やしそうです。英国のEU離脱問題も、残留派が若干優位になったとは言え、その差はわずかで、開けて見なければ分からない状態は続いています。メディア報道のわずかな変化で、波乱になる事も十分考えられます。実質的に結果を織り込む金曜日の朝まで、予断は許されないという事です。

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昔は、

おはようございます。
 昔の話をし出すと人生、仕舞の証拠と言われるので、あまり「昔は、昔は、」という様な事は言わないようにしていますが、日経CNBCへの視聴者さまからの投稿を見ると、昔の話もして下さいと言うご意見もかなり見られます。考えてみるとメジャー媒体での現役の解説者としては、昔の事をしゃべれる数少ない一人で有るので、時々は話して見ようかなと思っています。
(平成資産バブルの時の思い出は、以前何回かこのブログに書きました。筆者としては今後の異次元バブルを予想していますが、どうやらまだ時間がかかりそうですので、今は書くことを休んでいます。バブル相場が見え始めたら再開します。)

 筆者が業界入りした1970年は、10月1日の国勢調査で、日本の人口が1億372万人となって、有史以来初めて1億人を超えた年でした。勿論当時は特別な感慨はありませんでしたが、今後の人口推計によると2050年に再び1億人を割るそうです。つまりは、我々団塊世代の生きた80年が、人口の面では日本のピークだったという事です。国の勢いの多くの部分は人口によりますが、それを乗り越えるイノベーションがあれば、国力を維持・発展できると思います。それをリードする企業群がこれから大きく成長するのは当然で、非常に楽しみです。

 消費の世界でも、電子商取引が、人工知能搭載でより深い消費者の理解を生み、そのシェアを大きく伸ばすでしょう。その真ん中に居るのが2352エイジアです。
 4304Eストアーも新しいシステムを取り入れながら革新的な発展を遂げる可能性を秘めています。両社が結びついたら、夢のコラボが出来るのですが。

売られた後は様子見か。

おはようございます。
 今日は、メジャーSQ週の月曜日と言う事の他は、イベントはありません。先週末の雇用統計の結果を受けて、為替が106円台前半、原油48ドル台で弱含みと言う条件で、日経平均はどんな動きをするかという事だけです。
 4日のブログにも書きましたが、空売り比率がまた40%台となって来ました。日計りの短期筋が多いとは言え、彼らは1000円単位で攻撃します。特に今週はメジャーSQですから、最悪、2月の安値の時の、日経平均予想PER13倍割れ、先週末のEPS1193円85銭で言うと1万5500円あたりは、計算しておいた方が良いと思います。
 しかし、中小型・新興市場の有望株には、ほとんど影響ないと思います。
ひとまず、明日のイエレンFRB議長講演もある事ですし、もしタカ派的発言があればドルが買い戻されますから、極端に売り込む事も出来ないでしょう。
 
本日の日経平均予想レンジは16200円―16450円とします。朝方売られた後は、閑散のなかで様子見の展開を予想します。

針の落ちる音を聞け。

おはようございます。
 本日は日本ダービーです。そして筆者の69回目の誕生日です。
 昔は馬にのめり込みました。社会人になってから20年間障害馬術の練習に明け暮れました。今は無くなりましたが、宇都宮競馬の馬主にもなりました。勿論土日は中山競馬場か浅草か錦糸町の場外馬券場です。足利、宇都宮、高崎、浦和、船橋、川崎、大井競馬場もすべて行きました。新橋遊吉の小説を読み、競馬必勝法を研究したりしました。一生競馬からは抜けられないと思っていましたが、不思議なことにある時から一瞬でやめました。今は株式相場研究の方が面白いので、全く馬券は買っていません。今日もマカヒキの圧勝を見るテレビ観戦だけです。
 相場の面白さを教えてもらったのは、師である立花証券創業者で、最後の相場師石井久氏です。4月22日になくなりました。92歳ですが、亡くなる直前まで勉強していました。口癖が「君勉強しろ。勉強すれば株は8割は分かる」でした。
 師には貴重な色々な事を教わりましたが、一つだけ選べと言われれば「針の落ちる音を聞け」です。チャンスや危険は音もなく忍び寄って来ます。しかし、全く音がしないかと言うと、必ずかすかな音(兆候)があります。その音を聞けといつも言われました。その為にはいつも周囲に気を配っていなければなりません。時々、帝国ホテルの碁会所に行く師と、内外情勢調査会(時事通信の情報組織、帝国ホテルでよく開かれた)に行く筆者と、地下鉄日比谷駅でお会いする事がありました。帝国ホテルに1番近い出口はA13番ですが、その階段を一緒に上がっている時突然、この階段は何段あるか?と聞かれました。駅の階段を数えるなど普通はありません。そんな日常の注意力の積み重ねが、針の落ちる音をを聞く訓練だと言う教えでした。先週末、帝国ホテル富士の間で盛大にお別れの会が開かれました。会場へ向かうた為A13番出口から地上へ歩き始めた時、突然思い出して、また下まで戻り、1段1段数えて見たら、踊り場を含めて61段ありました。
 「君勉強だよ」と言う師の声がいつも聞こえて来ます。69歳の誕生日を迎えましたが、針の落ちる音を聞けるように、益々精進して行きたいと気持ちを新たにしております。

医療用機器とリチウムイオン電池

おはようございます。
取材をしているとまったく関係ないところで、注目していた材料が出る事があります。

 某日、9366サンリツ(東証1部、倉庫・梱包輸送)の三浦社長に取材しました。興味のあるお話をたくさん聞くことが出来ましたが、筆者が1番印象に残ったのは、医療機器関連の強みを強調していた事でした。特に当社の倉庫は、医療倉庫のライセンスを持ち、CT、MR、カテーテル機器の取り扱いが活発のようでした。倉庫・運送会社と言う他業種の取材で、医療用機器関連が非常に好調であると言う情報を得た事になります。
 その後、8061西華産業(東証1部、三菱系機械商社)の薦田社長にお会いしました。子会社群の様子をお聞きしている時、突然医療用機器の話が出たので驚きました。中国の子会社は中国経済低迷でさすがに厳しく、今後立て直しに力を入れて行くとの事でしたが、医療用機器や食料品関連機器に注力して体質改善を図るとの事でした。中国でも医療用機器が伸びそうです。医療用機器関連!筆者は忙しくてすぐに取材できませんが、皆様研究して見たらどうでしょうか。
 さて、もう1つ西華産業で注目されたのがリチウムイオン電池です。最近リチウムイオン電池セパレーター専業の6619ダブル・スコープが大出世していますが、販売先の中国では、大気汚染の危機感から、国策として電気自動車化を進めています。おそらく日本より普及が進むと思われます。この中国から西華産業は、セパレーター製造装置を大量受注し、既に搬入が始まっています。セパレーターだけでなく、正極財、負極財の製造装置や関連機械の受注も増える様です。リチウムイオン電池は、先日の番組で、高城剛氏(ハイパーメディアクリエイター)から、電気自動車だけでなくドローンの将来もリチウムイオン電池が握ると聞いていたので、興味津々です。
今日は、取材中の興味の起きた話をして見ました。
ヒントになったら幸甚です。

「平野憲一投資道場」7日目

おはようございます。
 「平野憲一投資道場」7日目
 7771日本精密を例題にして、重要ポイントの決断を勉強してきました。前回5月9日の6日目で、「問題は今です。その仕手戦の高値372円を先週末の引け値378円で抜いたのです。ここは非常に迷うところです。そこで、筆者の結論です。「まだ、仕手戦の後遺症が残っている感じですので、今回の買い乗せシグナルにも距離を置く」です。将来性のある当社ですからゆっくり育って欲しいと思っています。もうすぐ決算ですから、決算終わってから考えましょう。」としました。
 その決算が出ました。筆者の描いている3年後、5年後の姿がはっきり見えるもので、順調に伸びる売上高は、引き続き平野銘柄として見守って行きたいと思えるものでした。  しかし、いつも申し上げていますが、企業の時間と投資家の時間は違います。更に、企業は現実の風に毎日さらされます。特に利益は、為替、拡大する為の先行投資や販管費の増加で、変化します。大きな最終利益を垂れ流しながら、先行きの企業体質を盤石にすることは不可能です。アセアンプロジェクトも現実の数字に修正しました。今期は増収増益ですが、無配継続予想です。
 最近当社もメジャーになったのか、所謂仕手筋が関与するようになりました。姿の見える先日のコマンドNだけではなく、ネット系の筋もあるようです。この決算の短期的評価は仕手筋に任せましょう。当道場で訓練に励む投資家は、既に種玉はたっぷり持っている(高値でいくらか売ったようですが)ので様子を見ましょう。5月8日の「投資道場」5日目の「吹き値買い」でいくと、引け値ベースの高値10日の394円を抜けたら買い乗せになりますが。
 次回の、強い投資家・負けない投資家になる為のテーマは「買いが善で売りが悪ではない」です。

来週の相場。

おはようございます。
 週末13日のNY株.
 ダウは185.18ドル安の1万7535.32ドル、ナスダックは19.65ポイント安の4717.68ポイントと反落。NYSE出来高も8億7930万株と低調です。
 2016年2~4月決算数字や5~7月見通しが芳しくないノードストロムの13.4%安をきっかけに、JCペニー、メーシーズ等、百貨店株が売られました。しかし、注目だった4月の小売売上高は前月比1.3%増と市場予想(0.8%増)を上回る結果となって、百貨店決算と対照的な結果に市場は混乱しました。
この、市場予想を上回る小売売上高は、利上げの後ずれ観を弱め、ドル高・原油安となって、ダウは3ケタの下げとなりました。

 日本株。
 大量の決算発表で、全体観どころではない状態ですが、引き続き政策待ちの相場です。カギを握るのが、18日(水)に発表される1~3月期GDP(午前8時50分、内閣府)です。マイナス成長の予想ですが、市場がどう取るかです。厳しい経済状況にネガティブに反応するか、政策発動への期待が高まるか。為替水準と相まって来週最大の注目点です。
 また来週は他にも、17日(火)の3月鉱工業生産、19日(木)には3月の機械受注、20日(金)G7財務相・中央銀行総裁会議(21日まで、仙台市)と、重要なイベントもあります。アメリカでは、16日(月)5月のNY州製造業景況指数と、17日(火)4月の住宅着工を筆頭に、米国住宅指数・消費関連指数が連日出ます。為替、原油価格を見ながらの、これら指数に一喜一憂の週が予想されます。
 テクニカル的には、超えたのは1日だけで、また日経平均は75日移動平均線にはね返された形です。25日移動も割れています。3番底形成のタイミングですが、政策期待に支えられながらも、上値を買えない不安感も大きく、こちらも昨日の234円安で、微妙な感じになってしまいました。

 来週の日経平均予想レンジ 16000円―17000円。 
予想にならない大幅レンジ設定ですが、政策期待が膨らむか萎むかで天地の差があるのでお許しください。

 またいつもの結論です。個別銘柄で行きましょう。
 三菱系機械商社8061西華産業が好決算を発表しました。今期見通しが大幅増収増益です。前期大幅減益予想だったので株価は低迷していましたが、ここも平野銘柄です。これから上昇トレンドが生まれるか、しっかり取材して報告します。大好きな薦田社長に会うのが楽しみです。

「投資道場」5日目 吹き値買い、押し目は見送り。

おはようございます。
  2015年4月22日に270円台で買い乗せた後、7月31日に日本精密は348円の高値を付けます。しかし、その少し前7月9日に274円(ザラバ245円)を付ける下げがあります。ここも重要なところです。2回目買い乗せ時の直近安値(マイナーボトム)234円を下回っていないので、ロスカット売りを考える必要はありませんが、当道場では押し目買いは勧めません。なぜなら「押し目は地獄への第1歩」の可能性があるからです。相場が崩れる時、絵にかいたような急落もありますが、多くは何の変哲もない押し目から始まります。普通の投資法は、「押し目買い・吹き値売り」ですが、強いトレンドに乗るには、「吹き値買い(高値抜け)、押し目買わず」が安全な投資法なのです。
 さて、7月31日の348円を付けに行く過程で、3度目の買い乗せタイミングを迎えます。7月23日の引け値で328円を付け、6月17日の直近高値(マイナートップ)318円を抜けました。ここでピラミッティング投資法により1000株を買い乗せます。最初の5000株、買い乗せ1回目3000株、2回目2000株、今回1000株で、持ち株は1万1000株になりました。
 最初のエントリー銘柄を選ぶ時に、「3年後、5年後の見える銘柄」と申し上げました。所謂ファンダメンタルズが基本です。しかし、強いトレンドに乗る為に、高値抜けと言うテクニカル手法を使っています。この時はファンダメンタル強気、テクニカル強気ですから良いのですが、テクニカル弱気のシグナルが出た時、重要な選択を迫られます。ロスカットルールをしっかり持つことは、強い投資家・負けない投資家の条件です。ロスカットルールについては、説明の日を別に設けたいと思いますが、ひとまずマイナーボトム法(直近安値を下回る時)で話を進めます。
 高値を買い上がって、それだけリスクが増すと心配する方もいらっしゃると思いますが、既にお気づきと思いますが、1回目の買い乗せ時のロスカットポイントであるマイナーボトムは144円、2回目のそれは235円、3回目の時は274円と、高値を買い上がるごとにロスカットポイントも上がって行くのです。つまり、リスクも上がりますが、安全性も上がるのです。
 これから7カ月にわたる揉みあいゾーンと、降って湧いたような仕手筋登場となります。以下次回。

「投資道場」4日目。

おはようございます。
 4日のNY株。
 ダウは99.65ドル安の1万7651.26ドル、ナスダックは37.58ポイント安の4725.64ポイントと続落。NYSE出来高は10億1914万株。
 4月のADP雇用報告は、非農業部門の民間就業者数が前月比15万6000人増と、20万人の市場予想を大きく下回りました。ダウは売り先行でしたが、その後発表された3月の製造業受注は2カ月ぶりに前月比プラス、4月のISM非製造業景況指数も市場予想を上回った為、下げ幅を縮小しました。

 日本株。
 CME日経平均先物は1万5910円でした。

 「投資道場」4日目 企業と投資家の時間軸の違いを自覚する事。
 ここまで順調に株価を上げて来た日本精密ですが、2014年12月から半年ほどの揉みあい期間に入ります。投資家の収益期待の時間は、早ければ3週間、長くても3か月程度です。買ってから3か月さっぱり動かなかったらかなりの失望感に襲われます。しかし、企業は最低3年後を見据えて動いています。中期経営計画の最終年が3年後と言うのが、それを物語っています。期待した業績発表が意外に平凡だったりする事はしょっちゅうですね。企業の時間軸と、投資家の時間軸が、大きく違うという事を自覚していれば、投資家に「待つ]余裕が生まれ、それが強い投資家の1つの条件になります。
 また、日本の優秀なものつくり企業の多くは、OEM供給をしています。言い換えれば、一流企業でもほとんどが「下請け」です。自社の作っているスマホ部品を大々的に宣伝している企業を見た事ないでしょ。重要な秘密の部品ですから宣伝は出来ないのです。ですから皆地味な企業です。そこに光を当て、その企業の良さを紹介するのが筆者の使命と思っています。
 さて、日本精密の半年間の揉みあいに入るきっかけになった、高値を付けた時の過熱感(25日線との異常かい離)でしたが、大きなかぶせ陰線が出ていたことも、1部売却を許容すると申し上げた理由です。酒田五法によると急騰した直後の押しかぶせるような長い陰線を売りタイミングとしています。この場合もピタリで、株価は200円割れまで調整しました。しかし、200円を割れても当道場のロスカットポイント(後にじっくり解説)には触れておらず、持続です。従って、200円から290(ザラバを含む)円ほどの揉みあいゾーンがありましたので、相場巧者は結構おいしい期間だったそうです。
 当道場では株価の基準は終値を基にします。「すべての情報は終値に集約される」というダウ理論に基づきます。2015年1月4日と4月6日に高値を抜く値段がザラバで有りましたが、ここは買い乗せのタイミングではありません。4月22日の終値273円がそのタイミングでした。ここで、2度目の買い乗せです。ピラミッティング投資法により、1度目の買い乗せ株数(3000株)より少ない2000株とします。これで持ち株は1万株になりました。
しかし、ここから前回より長い、2016年2月までの大揉みあい期間に入ります。この間、強い投資家になる為の重要な局面が、数回登場します。順調に来ているが期待ほど伸びない数字の試練は、正に時間軸の相違です。強い投資家になる為の例として日本精密を選んだのは、色々な要素を含んでいるからです。その重要局面の解説は次回。

「投資道場」3日目

おはようございます。
 3日のNY株。
 ダウは140.25ドル安の1万7750.91ドル、ナスダックは54.37ポイント安の4763.22ポイント。NYSE出来高は10億0449万株。
 中国4月の製造業PMIは49.4と市場予想を下回り、14カ月連続で50割れ、英国4月PMIも3年1カ月ぶりに50割れとなったことを嫌気し、ダウは一時220ドル安となりました。中国の経済減速を受けて、原油先物が弱含み、他の商品市況も弱く、エネルギー・資源関連が売られました。
 週末に4月の米雇用統計を控え、様子見姿勢もありました。

 日本株。
 CME日経平均先物は、15945円と再び16000円割れです。為替は106円66銭。

 「投資道場」3日目
 2日目に、あなたは145円で売ってしまった銘柄を直後に164円で買えますか?買えたら強い投資家です。 と申し上げました。もう1つ強い投資家と弱い投資家の分かれ目があります。売らないで高値抜けまで持続していた投資家の、ここでの選択です。
 これが実は今回の本題、「買い乗せこそ強い投資家の証(あかし)」になります。過去に高値つかみをした経験をお持ちの方も多いでしょう。「1文新値は鬼より恐い」などと言う相場格言があるくらいで、「高値抜けは注意」説もあります。しかし、我々は今、3年後、5年後を見据えた相場で戦っているわけですから、2割や3割の利益に目がくらんで、重要なマイルストーンを見逃してはなりません。
 高値抜けは買い乗せです。但し、買い乗せ株数は、最初のエントリー株数より少なくするのがコツです。これをピラミッティング投資法と言います。エントリーを決めたら予算の半分以上は買ってしまうのが強い投資家です。逆に「初めは処女の如く、後には脱兎の如し」と言う格言もあって、最初は打診買いで少し買って、本格的に動き出したら目いっぱい買う(攻撃する)と言う方法もありますが、当道場ではその方法は取りません。同じような格言で、「仕掛けは処女のごとく、手仕舞いは脱兎の如し」と言うのがありますが、これは重要なことで後に、負けない投資法を話す時に出て来ます。
 さて日本精密の買いを決定した時、予算の半分以上、例として5000株(約56万円)にしましょう。2014年11月17日164円となりました。手持ち時価は82万円に増えています。強い投資家はここで買い乗せるわけですが、ピラミッティング投資法で、買い乗せ株数は3000株とします。都合8000株が、10日後に272円になりました。217万円です。25日移動平均かい離率が異常に高くなり、過熱感も出ました。ここで、「多少売って、欲しかったものでも買おうか」と言う選択肢は許容します。株は楽しいものでなければなりません。強くなるためとは言え、当道場では宮本武蔵の様な厳しさはありません(笑)。
 但し、「投資道場」の話の進め方としては、8000株の株数は持続されたものとします。実際、当時の道場の者たちは、押し目で、売った株は買戻し、株数は元に戻していたようです。
 ここまで速いテンポで成果を上げて来ましたが、相場はそんなに簡単なものではありません。これから試練の揉みあいゾーンに入ります。その対処法や考え方は明日。

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