平野憲一の株のお話

不安の中で相場は力を蓄えていたか。

おはようございます。
 1日のNY株。
 ダウは348.58ドル高の1万6865.08ドル、ナスダックは131.65ポイント高の4689.60ポイントと大幅反発。NYSE出来高は11億2888万株。
 日本では材料にならなかった中国人民銀行の追加金融緩和(預金準備率4か月ぶりの下げ)を評価し、買い先行でスタート。その後発表された、2月のISM製造業景況指数も市場予想を上回り、上げ幅を広げました。
 先週末上方修正された10~12月期実質GDP改定値等、堅調な景気指標を好評価していますが、時として「利上げ早まる」で、売り材料にもなっていました。今回の反応を見ると、市場は上に行きたがっているようです。ダウは、ダブルボトムを形成し、25日移動平均線をも抜け、上値トライのチャートになっていましたが、金融株中心のこの上げは、どうやら本物のようですね。原油相場が堅調に推移していることも支援材料です。

 日本株。
 昨日は、政策期待と、続いている不安感が入り混じって、不安定な1日でしたが、その政策期待に大きく影響すると思われる、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の、2015年10~12月期の運用損益が1日遅れで発表されました。前期末から日経平均で1700円も上がっていた時の実績ですから、予想通り4兆7302億円の黒字でした。資産別の運用損益では、国内株式が2兆9660億円の黒字、外国株式が1兆5854億円の黒字、国内債券が3785億円の黒字、外国債券は、やや円高に推移したことで、2179億円の赤字となっています。しかし、15年4~12月期の収益トータルは、7~9月期の7兆8899億円の赤字が響いて、5108億円の赤字となりました。また年明け以降の日経平均3000円の下げで、その赤字幅は当然増加しているでしょうから、3月末でどんな数字を作るか、政策次第です。また、注目の12月末の保有資産割合は、国内債券37.76%(9月末は38.95%)、国内株式23.35%(同21.35%)、外国債券13.50%(同13.60%)、外国株式22.82%(同21.64%)となっていました。国内株式の23.35%はほぼ予想通りの数字ですが、25%を基準とする組み入れ比率に対してマーケットはどんな反応となるのでしょうか。買える力が、まだあるか、もうないか。
 さて、本日はそんな微妙な国内要因を吹き飛ばす海外株高を受けての1日になります。CMEが16530円で帰って来ましたので、25日移動平均(本日推定16450円)を越えて引けることが出来るかが注目点でしょう。予定通り予算を参議院に送った安倍内閣、政策期待が更に高まるでしょう。直近の金融政策については、ECB、日銀、FRBの順でイベントが控えています。個人投資家の今年の投資成績を決める正念場にさしかかりました。不安の中で相場は力を蓄えていたかどうかが試されます。

 本日の日経平均予想レンジ 16350円―16650円。

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