下値は堅い。材料整う。

おはようございます。
 11日のNY株。
 ダウは217.23ドル安の1万7711.12ドル、ナスダックは49.19ポイント安の4760.69ポイントと反落。NYSE出来高は9億4676万株。
 昨日の、材料なしで薄商いの自律反発に対する利益確定の1日になりました。特に、ウォルト・ディズニー(4%安)やメーシーズ(15.2%安)が決算発表を嫌気されて売られた為、ダウは200ドルを越す下げとなりました。
週末に注目の4月小売売上高の発表を控えて、消費関連に不透明感が出ています。

 日本株。
 為替敏感度は変わらないようです。昨日はドル円109円台では、200円を超す強さを見せた日経平均も、108円台に戻ると一気に失速してしまいました。ただ、上値トライのネックであった日経平均予想PERは、前日の15.08倍から昨日14.36倍へと急低下しています。これは、前期に減損処理を終えて、利益予想の数字が正常に戻った商社の影響で、予想EPSが、5月6日の最低値1091円24銭から昨日現在1154円53銭に上がった為です。また、オプションSQを前にして、裁定買い残が1兆7989億円と3年7カ月ぶりの低水準になって売り圧迫要因が小さい事もあり、ここから大きく売られる事も考えにくい状態です。原油も46ドル前後に上がって来ています。
今日は、為替の行方を見ながら神経質な展開を予想します。

 本日の日経平均予想レンジ 16450円―16600円。

 当然、個別株物色が続きます。昨日の4304Eストアーと2352エイジアは、決算内容を受けて株価も明暗を分けました。
 Eストアーは、このところ買われすぎていた感じはありましたが、いくら長期出世株投資の平野銘柄と言えども、市場は厳しい判定を下します。ただ、長期出世株の基本が崩れたわけではありません。テクニカル的・ファンダメンタルズ的には若干の調整に入ると思いますが、これから次の波動の基礎固めになります。またしっかり取材してご報告します。
 エイジアはすごい動きですね。ぜひこのトレンドについていきましょう。強い投資家は、「吹き値買い、押し目買わず(余裕の見送り)」です。

上値トライの体勢ですが、

おはようございます。
 10日のNY株。
 ダウは222.44ドル高の1万7928.35ドル、ナスダックは59.67ポイント高の4809.88ポイントと大幅反発しました。ただ、NYSE出来高は8億5491万株と意外に少なく、思ったほど悪くなかった決算発表がほぼ終わり、原油、日欧の株価の強さを受けての自立反発の感じでした。この日、主な米経済指標の発表はありませんでした。

 日本株。
 休み前のゼロ回答ショックを経験し、為替に神経質になっている政権の見幕に押され、アメリカが譲歩する形で、ドル円は109円台に戻っています。原油も大きく売られる感じは無くなり、日本株も反発体勢に入りそうです。
 そこでネックになるのが、予想PERです。決算発表がピークを迎え、投資家の皆様や、マーケット関係者もてんやわんやの忙しさです。前評判の悪い企業業績ですが、1091円24銭(6日)まで落ち込んだ日経平均予想EPSは、10日現在1098円49銭で、予想PERは15.08倍です。上値を追うためには、欧米のそれが上がり、16倍、17倍でも良いとなるか、決算が意外に良くて、EPSが上がる(PERが下がる)かです。
 さて、昨日4304Eストアーの決算が発表されました。日経平均が15000円を割れた2/12の引けは615円でしたが、昨日1522円の高値を付け、平野銘柄の優等生ですが、決算の内容が芳しくありません。前期の数字は予想通りの強い数字が出ましたが、今期見通しが低すぎます。例によって期中に徐々に良くなるかも知れませんが、ちょっと乱暴な数字と言う気がします。いつも申し上げていますが、企業の時間軸と投資家の時間軸は違います。将来を見据えた先行投資を組み入れた今期予想とは思いますが、市場はどう反応しますでしょうか。
 4875メディシノバが80万株の立会外分売を発表しました。こちらも市場がどう評価するか。
今日の筆者はちょっとブルーです。

 救いは2352エイジアです。昨日の決算では、前期実績、今期予想の数字が良く、増配幅も予想より多い3円になっています。こちらも2/12の1562円から2700円台に上昇し、我が陣営の優等生です。

 本日の日経平均予想レンジ 16650円―16850円。

為替ひとまずやれやれの108円台。

おはようございます。
 週明け9日のNY株。
 ダウは34.72ドル安の1万7705.91ドル、ナスダックは14.05ポイント高の4750.21ポイントと、まちまちの動きでした。NYSE出来高は9億6628万株。
 供給不安で強含みだった原油価格の反落(3%安の43ドル前半)、中国4月の貿易不振による非鉄相場の下落で、資源関連株中心に売りが出ました。
 ほぼ出そろった主要企業の2016年1~3月期決算は、予想の範囲内とは言えさえない結果で、4月雇用統計も大きく落ち込み、景気減速感が強くなって来ました。これで6月のFOMCでの追加利上げはほぼなくなりました。

 日本株。
 買われるものとそうでないものの2極化が進んでいる日本市場ですが、昨日の「昼エクスプレス」の番組中に、勝ち組投資家になるにはその強い銘柄に付いていくしかない、その為には吹き値を飛びつくのも必要と言う話をしました。その話を、月間投資手帖の久保木社長(ケイ・アセットの兜町事務所として編集局を使わせて頂いています)に話したら、「平野さん、それは酷だよ」と言われました。確かに、分かっていても高値を買うのは難しい事です。強く言い過ぎたと反省しています。ただ、筆者46年間の経験では、高値を買えない方が、安値を買えたら、それは下げの1丁目であると思っているからです。ですから、思い切って高値を買ってから下げてしまった(間違った)時は、安値でナンピン買いをしない事です。買うともっと下がりますよ。トレンドが変わらなければ上がって来ますから。買わないのに更に下がったら、それはロスカットです。(また酷な事を言ってしまいました)
 本日の市場の外部与件は、原油安ドル高です。最近は原油とドルが連動して、あたかもドルが変動した分、ドル表示の原油価格が変わる事になっています。105円も危なかったドル円が、いつの間にか108円台半ばに戻っています。欧州会見で安倍首相が介入の可能性を否定しなかった事や、オバマ大統領の「為替は各国それぞれの問題」(アメリカには他国の為替への強制権は無い)と言う発言で、ドルの買戻しが入ったと思われます。
 決算が佳境に入っています。先の見える銘柄に資金が集中する流れは変わりません。ホームページで決算短信が簡単に手に入ります。注目していた銘柄の研究には良い時です。短信をしっかり読み込んで、明日が見えたら買えば良し、見えなかったら買わなければ良いだけです。投資家は王様です。市場を上から目線で、余裕を持って見ましょう。
 中国の株価が冴えません。本日消費者物価が発表になります。今のところ無視されていますが、これ以上波乱になると、さすがに材料となるかも知れません。

 本日の日経平均予想レンジ 16150円―16350円。

いよいよ休み明け!SQと決算です。

おはようございます。
 いよいよ連休明けの相場が動き出します。しかも週末は早くもSQです。裁定買い残は20億株前後が平均的姿ですが、最近の先高観の無い市場では、裁定も組み辛く、現在14億株台半ばとなっています。売り圧迫要因としては限定的ですが、薄商いが続く市場では、やはり波乱要因の1つです。
 今週の予定表を見ますと、日本は4月の消費動向調査(本日)、景気ウォッチャー調査(12日)、SQ,、黒田総裁講演(13日)、海外ではユーロ圏3月鉱工業生産(12日)、1-3月期GDP改定値(13日)、13日には米4月小売売上高、5月ミシガン大学消費者信頼感があります。黒田総裁の講演は注目ですが、やはりなんとい言っても、国内主要企業の決算発表のピークです。円高で、業績懸念が先行していますが、実際はどうなのか。日経平均予想EPSがじりじりと下げていますので、3番底攻防戦(2番底4/11の引け値15751円を下回らず反発)に勝つことが出来るかにおいて重大な注目点です。
 また、原油価格もここで安定するかどうかが、日経平均の水準を決めます。厳しい経済環境を背景とする今の市場の、下支え要因が、過剰流動性「金余り」だからです。企業が通常の事業をしたり、個人が日常の消費をしたりするのに必要な金額以上の資金が世の中にあふれています。その供給源の1つが、原油価格の高騰を背景とした原油売り上げ収入だったからです。

 本日の日経平均予想レンジ 16000円―16300円。

 「投資道場」6日目
 本道場は、「強い投資家・負けない投資家」になる為の、勉強の場です。その例題として、日本精密を取り上げていますが、特に今のタイミングで推奨しているわけではありません。まして決算前の重要な時に、特別な情報があるわけありません。筆者は、出来るだけ深堀取材をして、企業の実態に迫ろうとしていますが、その際1番心がけている事は、IR担当者や企業経営者に迷惑をかけない事です。IR担当者は、インサイドな情報だけを取ろうとする輩を嫌います。コンプライアンスに厳しい今、危険を感じるからです。我々アナリストが企業と深い付き合いをするためには、そんな危険を感じさせない信頼性が大事です。まして、決算前は、疑惑をもたれないように電話1本入れません。最も、深入りもせず、決算説明会の内容だけを要約してレポートにする所謂「説明会アナリスト」もどうかと思いますが。
 さて、348円の高値を付けた後、3年後、5年後まで続くかもしれない本物語、前段最大のヤマ場を迎えます。2015年8月25日に274円となります。3回目の買い乗せ時に設定したロスカットポイント274円と同値まで下げました。上場トレンドラインに乗る為の、マイナートップ・ボトム法(筆者命名)からすると、この時明確に274円を割れたら、そこでロスカットでした。つまり日本精密の上昇劇はひとまず終わりと判断さるところでした。ファンダメンタルズの先行きが不透明になった訳ではないので、完全撤退ではありませんが、最低限の種玉を残して、半年かそれ以上の様子見期間に入るところでした。この最大のヤマ場は越えましたが、事実これから本年2月後半までの揉みあいとなりました。
 そして、突然5%ルール報告であるファンドが登場し、ご丁寧にも「持ち分法適用会社」化宣言をしたのです。所謂仕手的な相場になりました。3月1日引け値で362円となり、昨年7月の高値348円を抜きましたので、テクニカルだけでは4回目の買い乗せ(この場合も3回目と同じ1000株)となりますが、ブログに何回も書いた通り、仕手戦は、ファンダメンタルズとテクニカルを超越しますので、「距離を置く」としました。つまり、4回目の買い乗せは無しです。結局、372円で仕手戦は終わりました。
 問題は今です。その仕手戦の高値377円を先週末の引け値378円で抜いたのです。ここは非常に迷うところです。そこで、筆者の結論です。「まだ、仕手戦の後遺症が残っている感じですので、今回の買い乗せシグナルにも距離を置く」です。将来性のある当社ですからゆっくり育って欲しいと思っています。もうすぐ決算ですから、決算終わってから考えましょう。複雑になった株主構成もそこで分かるわけですから。

「投資道場」5日目 吹き値買い、押し目は見送り。

おはようございます。
  2015年4月22日に270円台で買い乗せた後、7月31日に日本精密は348円の高値を付けます。しかし、その少し前7月9日に274円(ザラバ245円)を付ける下げがあります。ここも重要なところです。2回目買い乗せ時の直近安値(マイナーボトム)234円を下回っていないので、ロスカット売りを考える必要はありませんが、当道場では押し目買いは勧めません。なぜなら「押し目は地獄への第1歩」の可能性があるからです。相場が崩れる時、絵にかいたような急落もありますが、多くは何の変哲もない押し目から始まります。普通の投資法は、「押し目買い・吹き値売り」ですが、強いトレンドに乗るには、「吹き値買い(高値抜け)、押し目買わず」が安全な投資法なのです。
 さて、7月31日の348円を付けに行く過程で、3度目の買い乗せタイミングを迎えます。7月23日の引け値で328円を付け、6月17日の直近高値(マイナートップ)318円を抜けました。ここでピラミッティング投資法により1000株を買い乗せます。最初の5000株、買い乗せ1回目3000株、2回目2000株、今回1000株で、持ち株は1万1000株になりました。
 最初のエントリー銘柄を選ぶ時に、「3年後、5年後の見える銘柄」と申し上げました。所謂ファンダメンタルズが基本です。しかし、強いトレンドに乗る為に、高値抜けと言うテクニカル手法を使っています。この時はファンダメンタル強気、テクニカル強気ですから良いのですが、テクニカル弱気のシグナルが出た時、重要な選択を迫られます。ロスカットルールをしっかり持つことは、強い投資家・負けない投資家の条件です。ロスカットルールについては、説明の日を別に設けたいと思いますが、ひとまずマイナーボトム法(直近安値を下回る時)で話を進めます。
 高値を買い上がって、それだけリスクが増すと心配する方もいらっしゃると思いますが、既にお気づきと思いますが、1回目の買い乗せ時のロスカットポイントであるマイナーボトムは144円、2回目のそれは235円、3回目の時は274円と、高値を買い上がるごとにロスカットポイントも上がって行くのです。つまり、リスクも上がりますが、安全性も上がるのです。
 これから7カ月にわたる揉みあいゾーンと、降って湧いたような仕手筋登場となります。以下次回。

来週の相場。

おはようございます。
 週末6日のNY株。
 ダウは79.92ドル高の1万7740.63ドル、ナスダックは19.07ポイント高の4736.16ポイント。NYSE出来高は9億7050万株。
 注目の4月雇用統計は、非農業部門の就業者数が前月比16万人増と、市場予想の20万2000人増を下回りました。市場はネガティブ材料として売り先行で始まりましたが、次第に、6月のFOMCで追加利上げが遠のいたと言う見方が広がって、プラス圏に浮上しました。

 日本株。
 昨日は、雇用統計を控えた連休の谷間という事もあって、予想通り動きにくい1日でしたが、直前の3連休中に為替が円高(105円台)に動いた後、落ち着いて(107円台)いた事もあって、寄り後に上昇するなど、意外に強い展開も見られました。様子見気分もある中で、どう動くか分からない雇用統計後の米株とドルに対して、結果を見極めてから動いても間に合うと言う、開き直り感もあった様に思えます。
 その結果は、前述の通り、発表数字は予想外に悪かったけれど、利上げ遠のくで相殺され、株もドルも大きな動きはありませんでした。特に日本株にとっては、ほとんど無風状態でした。
 これで、黒田日銀総裁のゼロ回答で始まった大型連休のリスクは終わりました。結局、連休控の4月25日から数えると6連続安で、日経平均は1465円下がりました。これから16000円を維持できるか。来週はオプションSQの週でもあり、3番底形成(2番底4/11の引け値15751円を下回らず反発)が出来るか、5月以降の相場の命運を握る週となります。
 米大統領選、英国のEU離脱、中国の景気、国内企業の業績等不透明な現実は山積していますが、安倍総理の欧州会見が終わり、いよいよ政策が動き出します。この不透明な現実と政策期待と言う相反する力のせめぎあいが、3番底形成にどう影響するか。週末SQ当日、内外情勢調査会(時事通信の全国組織)での黒田総裁の講演があります。精彩の無かった日銀政策決定会合後の会見でしたが、欧州会見が済み、政権側の動きが活発になる中で、講演内容が期待されます。

 来週の日経平均予想レンジ 15750円―16500円。 (何とか2番底は割れず反転を期待)

 いつもの結論になりますが、この日経平均の攻防戦を嫌い、個別株で対応する投資家が増えています。従って、4565そーせいに代表される、強い銘柄は更に強く、上昇トレンドラインが継続します。筆者の銘柄の中でも、2352エイジア、4304Eストアーのトレンドラインの強さが目立ちます。
このトレンド銘柄との付き合い方について、明日の投資道場で話したいと思います。

休み明けですが、週末です。

おはようございます。
 5日のNY株。
 ダウは9.45ドル高の1万7660.71ドル、ナスダック8.55ポイント安の4717.09ポイントと、方向感無くまちまちの動きでした。NYSE出来高は9億7641万株。
 原油先物がしっかり基調で、ダウも資源株中心に買いが入っていましたが、結局、4月の雇用統計を控えて模様眺めとなりました。雇用統計の予想は、非農業部門就業者数20万2000人増と、堅調な数字が出ていますが、4日に発表されたADP雇用報告が大きく落ち込んで居た為、雇用統計にも不安な見方が出ています。

 日本株。
 さて本日休み明けの日本株ですが、休み明けと言っても即週末です。今晩の米雇用統計の結果次第で、NY株が再び波乱になる可能性もありますので、基本的には動きにくい1日です。
 ただ、CME日経平均先物は1万6060円と、16000円台を回復し、為替も107円26銭と、休み中105円台も出た波乱から見ると、落ち着いてきた感じです。黒田日銀総裁のゼロ回答から始まった急激な円高も、休み中にかなりのガス抜きとなったようですが、107円台ではこれから出る企業業績の不安が払しょくされていません。引き続き日経平均ベースでは、政策期待含みながら、不透明なトレードが続きそうです。
 そうなると、いつもの「先の見える銘柄」の個別株循環物色という事になりますが、投資道場でも申し上げておりますが、企業の時間軸と投資家の時間軸はかなり違います。あまり入れ込んで(期待しすぎて)、企業としては予定通りの数字なのに、投資家側が勝手にがっかりしないような心構えが必要です。先の見える企業は、投資家にも利益をもたらしてくれます。期待と共に、応援する気持ちが必要です。そのような、企業と投資家の関係が構築されますと、殺伐とした日経平均の攻防戦から逃れた投資家が、どんどんこちらの世界に入って来ます。余裕を持って株を楽しみましょう。

 本日の日経平均予想レンジ 15900円―16200円。


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「投資道場」4日目。

おはようございます。
 4日のNY株。
 ダウは99.65ドル安の1万7651.26ドル、ナスダックは37.58ポイント安の4725.64ポイントと続落。NYSE出来高は10億1914万株。
 4月のADP雇用報告は、非農業部門の民間就業者数が前月比15万6000人増と、20万人の市場予想を大きく下回りました。ダウは売り先行でしたが、その後発表された3月の製造業受注は2カ月ぶりに前月比プラス、4月のISM非製造業景況指数も市場予想を上回った為、下げ幅を縮小しました。

 日本株。
 CME日経平均先物は1万5910円でした。

 「投資道場」4日目 企業と投資家の時間軸の違いを自覚する事。
 ここまで順調に株価を上げて来た日本精密ですが、2014年12月から半年ほどの揉みあい期間に入ります。投資家の収益期待の時間は、早ければ3週間、長くても3か月程度です。買ってから3か月さっぱり動かなかったらかなりの失望感に襲われます。しかし、企業は最低3年後を見据えて動いています。中期経営計画の最終年が3年後と言うのが、それを物語っています。期待した業績発表が意外に平凡だったりする事はしょっちゅうですね。企業の時間軸と、投資家の時間軸が、大きく違うという事を自覚していれば、投資家に「待つ]余裕が生まれ、それが強い投資家の1つの条件になります。
 また、日本の優秀なものつくり企業の多くは、OEM供給をしています。言い換えれば、一流企業でもほとんどが「下請け」です。自社の作っているスマホ部品を大々的に宣伝している企業を見た事ないでしょ。重要な秘密の部品ですから宣伝は出来ないのです。ですから皆地味な企業です。そこに光を当て、その企業の良さを紹介するのが筆者の使命と思っています。
 さて、日本精密の半年間の揉みあいに入るきっかけになった、高値を付けた時の過熱感(25日線との異常かい離)でしたが、大きなかぶせ陰線が出ていたことも、1部売却を許容すると申し上げた理由です。酒田五法によると急騰した直後の押しかぶせるような長い陰線を売りタイミングとしています。この場合もピタリで、株価は200円割れまで調整しました。しかし、200円を割れても当道場のロスカットポイント(後にじっくり解説)には触れておらず、持続です。従って、200円から290(ザラバを含む)円ほどの揉みあいゾーンがありましたので、相場巧者は結構おいしい期間だったそうです。
 当道場では株価の基準は終値を基にします。「すべての情報は終値に集約される」というダウ理論に基づきます。2015年1月4日と4月6日に高値を抜く値段がザラバで有りましたが、ここは買い乗せのタイミングではありません。4月22日の終値273円がそのタイミングでした。ここで、2度目の買い乗せです。ピラミッティング投資法により、1度目の買い乗せ株数(3000株)より少ない2000株とします。これで持ち株は1万株になりました。
しかし、ここから前回より長い、2016年2月までの大揉みあい期間に入ります。この間、強い投資家になる為の重要な局面が、数回登場します。順調に来ているが期待ほど伸びない数字の試練は、正に時間軸の相違です。強い投資家になる為の例として日本精密を選んだのは、色々な要素を含んでいるからです。その重要局面の解説は次回。

「投資道場」3日目

おはようございます。
 3日のNY株。
 ダウは140.25ドル安の1万7750.91ドル、ナスダックは54.37ポイント安の4763.22ポイント。NYSE出来高は10億0449万株。
 中国4月の製造業PMIは49.4と市場予想を下回り、14カ月連続で50割れ、英国4月PMIも3年1カ月ぶりに50割れとなったことを嫌気し、ダウは一時220ドル安となりました。中国の経済減速を受けて、原油先物が弱含み、他の商品市況も弱く、エネルギー・資源関連が売られました。
 週末に4月の米雇用統計を控え、様子見姿勢もありました。

 日本株。
 CME日経平均先物は、15945円と再び16000円割れです。為替は106円66銭。

 「投資道場」3日目
 2日目に、あなたは145円で売ってしまった銘柄を直後に164円で買えますか?買えたら強い投資家です。 と申し上げました。もう1つ強い投資家と弱い投資家の分かれ目があります。売らないで高値抜けまで持続していた投資家の、ここでの選択です。
 これが実は今回の本題、「買い乗せこそ強い投資家の証(あかし)」になります。過去に高値つかみをした経験をお持ちの方も多いでしょう。「1文新値は鬼より恐い」などと言う相場格言があるくらいで、「高値抜けは注意」説もあります。しかし、我々は今、3年後、5年後を見据えた相場で戦っているわけですから、2割や3割の利益に目がくらんで、重要なマイルストーンを見逃してはなりません。
 高値抜けは買い乗せです。但し、買い乗せ株数は、最初のエントリー株数より少なくするのがコツです。これをピラミッティング投資法と言います。エントリーを決めたら予算の半分以上は買ってしまうのが強い投資家です。逆に「初めは処女の如く、後には脱兎の如し」と言う格言もあって、最初は打診買いで少し買って、本格的に動き出したら目いっぱい買う(攻撃する)と言う方法もありますが、当道場ではその方法は取りません。同じような格言で、「仕掛けは処女のごとく、手仕舞いは脱兎の如し」と言うのがありますが、これは重要なことで後に、負けない投資法を話す時に出て来ます。
 さて日本精密の買いを決定した時、予算の半分以上、例として5000株(約56万円)にしましょう。2014年11月17日164円となりました。手持ち時価は82万円に増えています。強い投資家はここで買い乗せるわけですが、ピラミッティング投資法で、買い乗せ株数は3000株とします。都合8000株が、10日後に272円になりました。217万円です。25日移動平均かい離率が異常に高くなり、過熱感も出ました。ここで、「多少売って、欲しかったものでも買おうか」と言う選択肢は許容します。株は楽しいものでなければなりません。強くなるためとは言え、当道場では宮本武蔵の様な厳しさはありません(笑)。
 但し、「投資道場」の話の進め方としては、8000株の株数は持続されたものとします。実際、当時の道場の者たちは、押し目で、売った株は買戻し、株数は元に戻していたようです。
 ここまで速いテンポで成果を上げて来ましたが、相場はそんなに簡単なものではありません。これから試練の揉みあいゾーンに入ります。その対処法や考え方は明日。

強い投資家・負けない投資家になる為の「平野憲一投資道場」

おはようございます。
週明け2日のNY株。
ダウは117.52ドル高の1万7891.16ドル、ナスダックは42.23ポイント高の4817.59ポイント。NYSE出来高は9億8785万株。
先週の上げ幅は約2カ月半ぶりの大きさだった事で、買い戻しが先行しました。注目のISM4月の製造業景況感指数が50.8と、前月実績(51.8)と市場予想(51.4)を下回りましたが、売り材料とはなりませんでした。ただ、今週は雇用統計の週です。関連指標の発表もあり、日本は連休ですが、米国は忙しい週となります。

日本株。
昨日の日経平均は一時16000円を割れる大幅安となりましたが、最初の15分で水準が決まり、その後は狭いレンジの揉みあいでした。3連休で投資家の気持ちが整理されて、パニック売りにはなりませんでした。それでも2日間で1200円の下げは正常では無く、米財務省の為替報告で監視対象国に指定された為替環境を含めて、まだ下値確認とはいかないようです。2月12日の15000円割れで1番底、4月11日の15751円で2番底、昨日の16000円割れで3番底となる理想的底入れ型を形成できるかは、連休中の為替にかかっています。

さて、強い投資家・負けない投資家になる為の「平野憲一投資道場」第2日目は 「買い乗せこそ強い投資家の証(あかし)」 です。
中国の景気減速で、チャイナ・プラスワン(中国から軸足を他のアジア諸国に移す)が話題になった一昨年、7771日本精密と出会いました。既に進めていたアセアン戦略がようやく実を結び、日本の物つくり精神をメコンデルタに展開しようとしている当社に強い興味を持ち、岡本社長に会って、5年後の姿が見えた感じがしました。エントリーの決断(投資道場第1日目)に至りました。今回はこの銘柄を例にとって話します。
最初に筆者が活字で発表した日の当社株価の寄り付きは113円でした。その後上げ下げをしながら下値を切り上げ、いよいよ11月14日の寄り付き145円からの爆騰を迎えます。ここまでに売ってしまった投資家も多いと思います。113円で買って145円では28%もの利益が出るわけですから仕方のない事です。問題はこれからです。11月17日に終値164円と直近高値160円を抜けました。(因みに筆者の言う高安は終値で表現しています。100年前からあるNYの理論「すべての株価情報は終値に結集される」を信じているからです。ザラバの値段は参考値段です。)
さて、いよいよ強い投資家と弱い投資家の分かれ道です。あなたは145円で売ってしまった銘柄を直後に164円で買えますか?買えたら強い投資家です。多くの投資家は高値抜けで強気になり、買ってしまって後悔した経験をお持ちと思います。それは唯の「乱暴な投資」です。そうならない為には第1日目のエントリーの決断で、最初の道に迷わない事です。しっかり先が見えた銘柄だけを買うべきです。

(この道場が何日続くかまだ分かりませんが、1日だけのテーマで強くはなれません。複合的に組み合わされて強度を増します。)

さあその後当社は11月28日に272円になります。さすがに25日移動平均かい離率が異常に高くなり、過熱感が出ました。この辺は杓子定規に考えず、1部売っても良いと思います。
過熱感は、出来高と移動平均かい離で判断されます。筆者は25日移動平均を使いますが、これが一般的で皆が参考にしているので影響度(参考度)が大きいからです。蛇足ですが、25日は土曜日立会があったころの1か月の日数です。土曜立ち合いが無くなった直後、1か月の立会日数20日移動平均線に直そうとしましたが、いつの間にか25日に戻ってしまいました。今まで使っていたものを変える事は出来なかったわけです。
今日の分はこれくらいで、では明日。


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