平野憲一の株のお話

アーカイブ : 2016年04月

原油は切り返したが、円高。どうする?

おはようございます。
 6日のNY株。
 ダウは112.73ドル高の1万7716.05ドル、ナスダックは76.79ポイント高の4920.72ポイントと反発しましたが、NYSE出来高は8億6902万株と低調でした。
 エネルギー情報局(EIA)が午前に発表した石油在庫統計は、前週比490万バレル減と市場予想の320万バレル増に対して、大幅在庫取り崩しとなっていた事で、原油価格が37ドル台後半と、5%以上の上昇で、株もエネルギー株中心に買われました。
 ただ、午後に発表されたFOMC議事要旨(3月15、16両日開催分)で、4月利上げの可能性が議論されたことが判明し、上値追いは止まりました。
 これから、マーケットの関心は、本格化する2016年1~3月期決算に移ります。減益が予想されていますので、バーは低くなっていますが、予想通りの結果だと、上値を追いにくくなりますので、要注意です。

 日本株。
 日本株相場を決める2大要素、原油と為替ですが、原油は反発しましたが、為替はとうとう109円台です。どちらを選択するかですが、為替はもう一つの要素、企業業績を悪くしますので、ネガティブ要因が勝ると言うのが今日の条件でしょうか。袋小路に入ってしまいました。
 報道されている、野村証券の西川昌宏チーフ財政アナリストの試算によると、GPIFの2015年度の運用成績は、約5兆円のマイナスになるそうですが、損失内訳は、外国株が3兆6千億円と最大で、国内株の3兆5千億円を上回るようです。日本株の一人敗けと思っていましたが、外国株のマイナスの方が多いとは意外です。ダウは日経平均と違い高値圏に戻っています。それなのに日本株より損失が大きいとは、高値で買って安値で処分売りという、よほどまずいタイミング運用をしたようです。これに政策もまずいタイミングだと話になりません。何度も言う様に、崩れる前に出さないと、犠牲が大きくなるだけです。
 本日、日銀支店長会議があり、黒田総裁のあいさつ内容が注目されます。午後2時には、日銀さくらリポートが発表されます。
 外国人動向も発表されます。ずっと売って来たので、そろそろ「売りあき」現象が起きるころですが、ファンド筋に聞くと、トヨタがこれでは日本株は買えないと言う話をよく聞きます。世界のトヨタのPBR1倍割れを、外国人投資家はどう考えるのでしょうか。日本株に対する諦めでしょうか。それとも日本株に値ごろ感を感じるのでしょうか。

 本日の日経平均予想レンジ 15700円―15950円。

 日本精密の仕手筋は、手口動向から判断するとうまく逃げたようです。しかし、持ち分法適用会社にすると発表して、日刊工業新聞に書かせ、高値で売り抜ける手法には、違法性は無いのでしょうか。
 何れにしても、仕手筋が介入してから筆者はコメントを控えていましたが、これで元の相場に戻りました。これからはしっかり日本精密の実態を、今まで以上に取材して、善良な投資家にお伝えしようと思っています。(決算発表前の難しい時期ですので限度がありますが)
 まず、仕手筋が居なくなったという事は、大量売りが出ないという事です。(仕手相場を想定して高値で買った投資家にはお気の毒ですが)
 次に、筆者の把握するところ、仕手化する前も後も日本精密自体は何も変わらないという事です。業績の伸びも順調なはずです。但し、昨今の為替水準(前期は112円台)については、販管費が現地通貨建てで円高メリットもありますが、もろもろトータルすると、やはりデメリットの方が若干大きい様です。

市場環境は厳しいですね。

おはようございます。
 5日のNY株。
 ダウは133.68ドル安の1万7603.32ドル、ナスダックは47.87ポイント安の4843.93ポイント。NYSE出来高は10億7354万株。
 原油は切り返しましたが、日欧の株安、2月の米貿易統計の赤字額が市場予想を上回り、IMFのラガルド専務理事の世界経済見通しの悪化発言、アトランタ連銀の1~3月期実質GDP推計を前期比0.7%増から0.4%増に下方修正等、市場環境悪化で、終日マイナス圏での揉みあいとなりました。

 日本株。
 円高、原油安、企業業績低迷、SQ週の波乱が重なり、日経平均は昨日390円も下げてしまいました。今日の条件はと言うと、原油は若干切り返していますが、為替がなんと110円台前半です。先日のテレ東モーサテのゲスト解説者の、実質金利差を考えたら、100円も有り得るという発言が投資家の間に動揺を与えていますが、110円を割れると一気に100円に近づくようなチャートの形なので、現実味を帯びて来ました。為替介入も必要ではないかと思います。日銀短観にあるように、企業側のレートは117円です。賃上げ等、企業に協力を求めている安倍内閣としては、ここで円高はまずいのではないですか。しっかりファイティングポーズを取ってほしいところです。
 昨日の予想レンジは外れましたが、あるポイントを下回ると売りが売りを呼ぶSQ週では仕方のない事です。今日も、切り返す環境では無いですが、裁定残が減っていますので、昨日の様な事は無いと思います。

 本日の日経平均予想レンジ 15700円―15900円。

 急騰していた1429日本アクアが、昨日はさすがの利確で急落ですが、良い事だと思います。エントリーのタイミングですが、大きく2つの窓を開けていますので、直前の窓うめ390円、75日移動平均の359円が参考になると思います。筆者は直接行けませんでしたが、信頼できる仲間の調査では、少なくとも、いちよし経済研究所のフェアバリュー600円の元になっている企業業績は問題ないようです。
 親会社の1413桧家HDを、今日の日本証券新聞の筆者のコラムで紹介しました。連続増配の可能性のある企業が4.3%の予想配当利回りです。売り上げもぐんぐん伸びていますよ。

今週はSQ週です。

おはようございます。
 4日のNY株.
ダウは55.75ドル安の17737.00ドル、ナスダックは22.75ポイント安の4891.80ポイントと反落です。

 日本株。
 今月は、1日が金曜日だった為、早くも今週SQ週です。波乱が予想される火曜日、水曜日に直面する前の、昨日までの5連続安で、水準(日経平均1011円安)が変わっています。14億株株台だった3月メジャーSQの時に比べ、現在の裁定買い残は16億株に増えています。玉関係がどう変わったのか、注意です。
 2月の15000円割れを割れを支えたのは、日経平均予想PER13倍割れと言う、絶対安値的値ごろ感でした。企業業績が悪化し、予想EPS(昨日1115.8円)が下がり続ける今、5連続安でもまだ14.45倍です。このままでは底値予想が、1115.8*13で14505円となります。昨日の報道で、新3本の矢を強固にする政策が用意されているそうですが、早く出さないと崩れますよ!と言いたいですね。今日も日本株は、為替111円台前半、原油35ドル台の不透明感の中でトレーディングをしなければならないSQ週の火曜日なのですから。

 本日の日経平均予想レンジ 15950円―16150円。

 でも、投資家の皆さんは対処法があるから大丈夫です。
渋谷をシリコンバレーのようにしようと始めた、ソフトウエア開発会社の集まりであるMIJSコンソーシアムの会員は、当初の13社から今70社に膨らんでいます。昨日、新ビジョンの紹介と今後の行動計画の発表でもある、第1回MIJS Japan Tech Valley Summitが開かれました。大変な熱気で立ち見も出る程でした。日本のソフトウエア開発は自己完結型で、シリコンバレーの解放・連携型に比べると大きく劣ります。人、技、金を結集して日本にイノベーション革命を起こすと言う、高い行動計画を立てましたが、これからの感があります。会員の中から現在5社が上場企業となりましたが、昨日の直感では、2352エイジア以上の魅力は感じませんでした。これからよく調べて、見守りたいと思います。
 4875メディシノバが止まりません。筆者の銘柄は、25日移動平均からあまりに離れたら売っても良いですが、買戻しのタイミングを誤るとおいて行かれますよと、先日の当欄で注意コメントを入れましたが、実はこのメディシノバを念頭にしたコメントでした。かなりの方が大きく利益を上げていますが、かなりの方が置いて行かれているようです。100株でも残して置いて下さい。せっかくの夢を共有したいです。
 筆者銘柄は、3年後、5年後を想定していますから、25日移動平均に接近するような、休んでいるタイミングが再エントリーのタイミングです。安い水準で売り買いした事は忘れて下さい。3237イントランスでは、筆者が紹介してから、もう5回も回転させた猛者もいます。1413桧家HDが25日線に近づいていますね。

バスターミナル。

おはようございます。
 先週末のNY株は、雇用統計の結果やISM製造業景況指数を受けて、ダウは107.66ドル高、ナスダックは44.69ポイント高で帰って来ていますが、原油が36ドル台、為替が111円台ですので、今日も神経質な展開が予想されます。
 本日は大きなイベントはありません。しかし、予定表見ますと、3月日銀短観「企業物価見通し」(午前8時50分)、3月のマネタリーベース(午前8時50分)、3月末現在の日銀保有国債銘柄別残高・国庫短期証券銘柄別買い入れ額・受け入れ担保残高(午後5時)と日銀関係の発表がたくさんあります。
 考えて見ますと、日銀の量的・質的金融緩和導入から3年です。マーケットは、その辺を、反省を踏まえてじっくり考察する事になるかも知れません。
 本日、東京・新宿駅南口に国内最大規模のバスターミナル「バスタ」がオープンします。出発地点でバスを乗りちがえると、目的地から大きく外れてしまいます。「楽しい株人生」の為にも、乗りちがえないよう気を付けなければなりません。

 本日の日経平均予想レンジ 16150円―16300円。

第1回MIJS Japan Valley Summit

おはようございます。
 ヒデさんのコメントで、「貴殿は裏街道ではありません。王道です」と言って頂きました。ありがたい事です。確かに、応援する企業と共に投資家の資産も増えると言う意味では、「投資の王道」です。ただ、「人の行く裏に道あり花の山」と言う相場格言もあるとおり、(一流企業を目指す当該企業には、裏じゃないと言われそうですが)裏街道に咲く花、まだ汚れていない、投資家に利益をもたらす銘柄(花の山)をご紹介できることは、筆者の無上の喜びです。
 このブログを見ている投資家が、証券会社の担当営業マンに「当たり過ぎる。何かカラクリがあるのではないか」と疑問を投げかけたそうです。確かにこのブログの銘柄で既に資産が倍増している投資家もいらっしゃると聞いていますので、今までずっとうまくいっていなかった方からすると、不思議な事かも知れません。
 お答えします。カラクリはありません。たまたまマーケットのニーズにぴったりハマっているだけです。筆者も45年の経験で、「当たり屋と言われたころから曲がり出し」という相場川柳は、痛いほど経験しています。ただ、筆者は当てに行っているわけではありません。割安銘柄をただただ紹介しているだけです。当てに行かなければ外れる事は無いと確信しています。
 
 そして夢は、10倍になる銘柄をスタートから紹介する事です。

 初取材の時、「平野さんに迷惑をかけないように頑張ります」と言う美濃社長の言葉に惚れた2352エイジアは1000円からの紹介ですが、その後何度かお会いした気安さで、先日「御社株価1万円の条件」を逆提示させて頂きました。「それはかなり厳しい」とおっしゃっていましたが、満更でもない様子でした。
 その美濃社長から明日の「第1回MIJS Japan Valley Summit」にお誘い頂きました。MIJSは日本型シリコンバレーを目指す熱い志を持ったソフトウエア開発会社の集まりで、設立11年目の今回、新ビジョン紹介の記念すべき第1回目のイベントです。文系高齢者の典型である筆者にとっては、場違いな感じもしますが、頑張って勉強してきたいと思います。出来れば、ダイヤモンド原石と巡り会える期待を持って。

来週の相場。

おはようございます。
 1日のNY株。
 ダウは107.66ドル高の1万7792.75ドル、ナスダックは44.69ポイント高の4914.54ポイントと反発です。NYSE出来高は9億8392万株。
 注目の3月の雇用統計は、非農業部門の就業者数が前月比21万5000人増で、市場予想の20万人を上回りました。ただ、4%もの原油安(増産凍結期待後退)が嫌気され、売り先行となりました。しかし、その後発表された3月のISM製造業景況指数が51.8と前月の49.5から大幅に上昇していた為、買いが入り、ダウは100ドルを越すプラス圏で引けました。雇用統計で、製造業の就業者数に限ると、2万9000人減で、製造業に対する不安感が高まっていましたが、それを払しょくする好不調の分かれ目の50台乗せで、景気の先行きへの安心感が広がりました。景気好調でも4月の利上げは無いと言う、非常にバランスの良い米国株式市場です。

 日本株。
 それに引き替え日本は、先が見えない状態で、日経平均は600円近い下げ。日銀短観の内容で確認するまでもなく、日経平均予想EPSは下がり続け、昨日はとうとう1120円割れです。外国人投資家は口をそろえてPER15倍以上は買えないと言っています。1120*15、このままでは16800円が上値抵抗線になってしまいます。これから再び始まる世界金融政策イベント(13日から、G20財務相・中央銀行総裁会議、ECB、FOMC、28日の日銀政策決定会合まで)に期待がかかりますが、日本の企業業績が高まってこないと何も始まりません。昨年11月30日の1275円68銭を抜く勢いを見せれば、15倍(そうなるとこの時点で1275.68*15は19135円)の壁をも超える事が出来るのですが・・。日銀政策決定会合が終わるあたりで国内企業決算のピークを迎えますが、「意外にイイね」となってほしいものです。

 来週の日経平均予想レンジ 15800円―16800円。

 昨日はさすがに我が裏街道も、表街道の嵐の影響を若干受けましたが、1429日本アクアが390円ストップ高で気を吐いています。これも我が裏街道銘柄の1つで、最近書いてなかったので、来週取材する予定でした。いちよし経済研究所がフェアバリュー600円と言う超強気レポートを出して先を越されました。対抗意識ではありませんが、正直、600円へ行く力が今の日本アクアに有るかどうかは分かりません。こちらもしっかり取材します。
 来週も、「わが銘柄群は永遠です」(長嶋茂雄さんの物まねで言っています)

相場は続く、表街道/裏街道。

おはようございます。
 31日のNY株。
 ダウは31.57ドル安の1万7685.09ドル、ナスダックは0.56ポイント高の4869.85ポイント。NYSE出来高は9億9679万株。
 新規失業保険申請件数は、季節調整済みで27万6000件と、前週比1万1000件増加し、市場予想も上回りましたが、市場への影響は限定的でした。
 逆に、3月のシカゴPMIが市場予想を上回った事が発表された段階で、ダウは若干売られましたが、雇用統計を前にした小動きな一日でした。

 日本株。
 昨日の2015年度最終日の相場は、手掛かりのつかめないまま、昨年3月末比13%安で終わりました。25日移動平均をも下回ってしまいました。
 今日から新年度ですが、明日が見えない状態で、8時50分に日銀短観(コンセンサスは大企業製造業DIプラス8、非製造業プラス23)、10時に3月の中国製造業PMI(予想49.5、国家統計局)、10時45分3月の財新・中国製造業PMI(予想48.5、英マークイット)、今晩の米雇用統計(予想は非農業就業者数プラス20万人、失業率4.9%、時間賃金プラス0.2%)と続く、4月1日のイベントに神経質な反応を積み重ねるだけです。そして我々が安倍カレンダーと呼ぶ来週から夏の選挙までの予定表に沿って、日経平均の攻防戦が続きます。
 その攻防戦を解説するのが筆者の仕事ですが、そんな流れを避けて、日本証券新聞のコラム名にある通り、相場の裏街道にある有望株を紹介するのも使命だと思っています。最近の市場人気は、どちらが裏か分からない感じですが、今後も地道に街道を歩き、良いものを見つけたいと思います。新年度の誓いでした。

 本日の日経平均予想レンジ 16750円―17000円。

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