平野憲一の株のお話

アーカイブ : 2016年03月

3・11 黙禱。

おはようございます。
 10日のNY株。
ダウは5.23ドル安の1万6995.13ドル、ナスダックは12.22ポイント安の4662.16ポイントと小反落。NYSE出来高は10億5028万株。
 ECBがサプライズ感のある内容の追加金融緩和策を決定しました。ダウは買い先行で始まりましたが、理事会後のドラギ総裁の会見で、さらなる利下げ策やマイナス金利幅の限度を示唆示唆した為、NY市場は急速に売られました。引けにかけて値を戻しましたが、プラスにはなりませんでした。またドルが下落した為、来週のFOMCで利上げしやすくなった事も嫌気されました。

 日本株。
 昨日はSQ最終売買日でしたが、朝方の売り方の攻撃をがっちり受け止めた筋があり、売り方もそこで勝負を諦めたようで、その後はじり高となって引けました。東証1部出来高が、結果的にはECBを控えて、今年一番少ない出来高となりました。
 今日は3月11日、震災の日です。5年前のあの時間、筆者は、立花証券本社で、日経新聞記者の訪問取材を受けていました。「危ないからしばらくここに居た方がいい」と言ったのですが、記者の方は、急いで大手町に帰って行きました。勿論電車は止まっていたので徒歩です。その日筆者は会社の椅子でコートをかぶって寝ました。あれからの5年間、被災地の方の苦労を思うと、胸がつぶれます。
 さて相場の事ですが、ECBがやりました。追加緩和はせいぜい預金金利のマイナス0.3%からマイナス0.4%への下げと予想され、プラスαがあっても、資産購入規模現行の月額600億ユーロを700億ユーロと言われていましたが、出たのは預金金利は予想通りですが、資産購入規模は月額800億ユーロへ、さらに政策金利0.05%をゼロへと言うかなりのサプライズのあるものでした。記者会見でドラギ総裁が、この先への消極的発言をしたといてNYでは、嫌気されていますが、これだけの事をやった後さらに積極緩和はちょっとやり過ぎでしょう。当然の会見内容だったと筆者は思います。
 ドルが売られたので、一時112円台が出ました。日本株は嫌気すると思いますが、7時半現在113円20銭台に戻っています。もう売り方の攻撃は無いと思いますが、為替次第では、一戦交えてくる可能性はありますので、そこは冷静に。日経平均17000円はなかなか買ってくれませんが、中小型株、東証2部、JQ、マザーズは別世界です。個別株で行きましょう。

 本日の日経平均予想レンジ 16650円―16900円。

 3277サンセイランディックが良い動きを見せて来ました。予想EPS104円ですから、まだPER1桁です。
 4875メディシノバが、急騰しすぎて買えなかった方が多いと思いますが、2月26日の790円(25日移動平均かい離率なんと44%)から下げて来ました。現在の25日移動平均618円を参考にして買いタイミングを計ってみたらいかがでしょうか。

SQ最終売買日、しのいだ買い方、次は攻撃?

おはようございます。
 9日のNY株。
 ダウは36.26ドル高の1万7000.36ドル、ナスダックは25.56ポイント高の4674.38ポイントと反発しましたが、NYSE出来高は9億5813万株と10億株を割れて低調でした。この日は米国内の石油精製品在庫が大幅に減少した為、WTI原油先物は38ドル台に再び乗せ3カ月ぶりの高値となりました。エネルギー株を中心に買いが入りましたが、翌日にECB理事会を控えて上値での買い物は膨らみませんでした。

 日本株。
 本日はメジャーSQ最終売買日ですが、GPIF(筆者推定)はじめ買い方の抵抗で、売り方の意図する16500円割れゾーンへの攻撃は不発に終わりました。17000円を超えると新規買いが入ってこないと言う不利な展開の中で、調整安に収まった事は、今後買い方が楽しみな展開が期待できます。
 株価支援材料の一つが自社株買いです。今年に入っての自社株買いの総額は2兆円を超えています。特に決算発表の2月の件数は136件にも及びます。自社株買いのピークはもう一つあります。株主総会の前の5月です。マイナス金利に誘発された自社株買いの総額は、今年5兆円を優に超える事も予想されます。また、その株主総会日には数兆円の配当が支給されます。これも今年の総額は10兆円と言う過去最高の金額になります。また、昨日日銀が発表した2月のマネーストック(通貨供給量、月中平均残高)で、世の中に出回る現金の総額が90兆3000億円と前年同月比6.7%増加し、2003年2月以来13年ぶりの高い伸びを記録しました。マネーストックの代表的な指標の「M3」(現金と預金の総額)も前年同月比2.5%増と伸び率は鈍化したとは言え、1237兆7000億円となっています。株価は低迷していますが、おカネの量は大きく増えています。「カネ対株」の量のバランスは、カネが増え、株は自社株買いで減っています。この状態で株価が低迷し続ける事はあり得ないと思っています。
国内消費指標や企業業績の計算(株価がそんな計算で分かったら良いのですが)では見えてこない、18000円以上の世界へ、どんな材料で乗り出すか、楽しみです。まずはECBドラギ総裁に期待しましょう。

 本日の日経平均予想レンジ 16650円―17000円。

今日も荒れるか?でも。

おはようございます。
 8日のNY株。
 ダウは109.85ドル安の1万6964.10ドル、ナスダックは59.43ポイント安の4648.82ポイントと反落。NYSE出来高は11億1753万株。
 日本でも嫌気された中国2月の貿易統計が、輸出が前年同月比25.4%減、輸入が13.8%減と、大幅に落ち込んだ数字だった為、エネルギー株や素材株中心に売り先行となりました。前日2.7%の上昇だったキャタピラーが4.1%安と大きく下げています。また、中国不安は、北海原油40ドル、WTI38ドルまで上げて来ていた原油価格にも影響し、WTIが再び36台前半に落ち込んだことも圧迫要因となりました。ECB理事会を10日に控えて、期待と不安が交差しているようです。

 日本株。
 やはり荒れたメジャーSQの週の火曜日。本日水曜日はもっと荒れる可能性もありますが、ポイントは唯一つ、買い方の気持ちを挫く程のレベルに売られるかどうかです。チャートを見て分かる通り、2月12日の1万5000円割れから1万7000円まで戻す過程で、11日間1万6300円(実線部分)を頭にした揉みあいをしています。この前で止まれば、上昇過程の調整ですが、ここを突破されますと元の木阿弥となって、買い方の心が折れます。アベノミクス移動平均とも言われる36か月移動平均(16600円)、25日移動平均(16383円)が死守ラインです。

 本日の日経平均予想レンジ 16600円―16800円。

 日経CNBCの方に質問をお寄せ下さったペンネーム「悪玉コレステロールは下げたいが、株価は上がってほしい男」様。お寄せいただいた3277サンセイランディックについては、番組で取り上げましたが、念のため日証新聞に載せた文章の一部が下記です。ご参考になれば幸甚です。
 「デフレ脱却が進まず、アベノミクスの軽重が問われています。デフレ脱却の成否は不動産株人気の有無にも繋がりますが、デフレに強い不動産会社もあります。3277サンセイランディックは、権利者が複数いる底地(そこち)の権利調整事業を展開する不動産会社です。底地とは、土地が、その所有者(地主)と、その土地の上に立つ建物の所有者(借地権者)に分かれている土地の事を言います。その権利調整は複雑な業務の為、時間や手間がかかり、大手不動産会社は参入していません。底地の調整は、地上げとは違い不況やデフレに強く、当社が底地ビジネスを始めて24年経ちますが、案件が減る事は無く、潜在案件はまだ100万件あると言われています。しかも、最近の高齢者増加で、地方中心に居抜き物件が増え、これも事業として拡大して行くでしょう。土地所有者の物件のキャッシュ化を図って、当社の交渉力で借地権者には現在の環境より良い物件への移転を実現すると、不動産取引にありがちなクレームはほとんどなく、売り主、買い主、当社それぞれがWin-Win-Winの関係を容易に構築できます。この三方よしの精神は、社名のサンセイ(三つの星が輝き続ける意味)の基となっています。業績も順調で、前2015年12月期は売上・利益とも過去最高を記録しました。今2016年12月期も更に記録を更新する予想です。今は2017年を最終年とする中期経営計画の最中ですが、記録は更に伸びる予定です。その後も、会社側構想で第四ステージと言うべき新中期経営計画案(2018年―2021年)で、地価動向に依存しない独自の成長システムで大きな飛躍を狙っています。」

あれ?荒れませんね。今日は?

おはようございます。
 週明け7日のNY株。
ダウは67.18ドル高の1万7073.95ドル、ナスダックは8.77ポイント安の4708.25ポイント。NYSE出来高は11億3324万株とまずまずですが、前週末に比べると2億株以上減っています。それほど盛り上がらない1日でしたが、原油先物価格の上昇が相場を支えました。WTIは、一時1バレル=38ドル台までありました。日本時間7時現在37ドル98セント。
 ダウは結局5連騰となりましたが、国内に大きなイベントが無いため、10日のECB理事会が注目されており、それを控えて様子見ムードとなっています。
キャタピラーが2.7%高となっていますので、中国全人代はアメリカでもポジティブに見られているようです。

 日本株。
 荒れると思われるメジャーSQの週のスタートであった昨日は、逆に日中値幅が今年最低でした。相場は本当に面白いですね。今日はどうでしょうか。
 今日の注目は、なんと言っても寄り前にでる昨年10-12月期GDP改定値です。若干の下方修正が予想されていますが、もし予想以上の落ち込みを見せたら、相場はどう反応するのでしょうか。失望売りか、政策期待買いか、市場の前向き度が探れます。
午後3時に出る2月の景気ウオッチャー調査も同じ意味で注目ですが、その前の、中国貿易収支がどんな数字を出すでしょうか。
現時点での日本株への与件は、ダウ5連騰ですが、ドルが若干安いので(113円前半)マイナス、原油価格が強いのでプラスとなります。盛り上がらない相場ですがどう展開するでしょうか。
 新興市場の予想以上の強さや中小型株の堅調さで既に答えは出ていますが、ここは個別株での攻撃です。ますますこの傾向は強まると思います。楽しみましょう。筆者のご紹介する銘柄はおおむね元気ですが、全部と言うわけにはいきません。過去に紹介した銘柄で、おとなしくなっているところを狙うのも手ですよ。うまくタイミングが合えばも面白いですよ。筆者の銘柄は一過性のものではありませんので。

本日の日経平均予想レンジ 16800円―17200円。

上のゾーンに行けるか。

おはようございます。
 いよいよメジャーSQの週となりました。取引所が発表した2月26日現在の裁定買い残は1兆8343億円と、日経平均が19504円だった昨年12月4日現在の3兆6300億円に比べるとカラカラに乾いた状態です。また、2月26日の日の株数ベースでは、13億8671万株で、3月2日現在では13億6805万株ですので、直近の裁定買い残は更に減っていると思われます。裁定業者は、残を積み上げてなんぼですから、これから積み上げる作業に入ると思います。株価を支える(または上げる)大きな要因になります。
 本日のスタートは大きな材料がありませんが、為替が113円81銭、原油が36ドル32セントですので、引き続き強含みの動きが期待されますが、25日移動平均上方かい離率が3.43%、日経平均予想PER14.78倍となっていすので、上値をどんどん取って行くほどのマーケットセンチメントはありません。隠れた買戻しエネルギーがどれだけあるかにかかっています。
 中国の全人代が開催中ですが、今までの報道によると、厳しい現実を感じますが、改革先送りというわけでは無く、まずまずの展開ではないでしょうか。
 本日の予定で株価に影響すると思われるものは、黒田日銀総裁の講演(午後0時40分、東京・パレスホテル)、1月の景気動向指数(午後2時)、2月末の全国銀行預金・貸出金(午後3時、全銀協)です。その後では明日【8日(火)】10~12月期GDP改定値(午前8時50分)、2月の景気ウオッチャー調査(内閣府)があります。特にGDP改定値が注目です。
 そして週末【11日(金)】には、メジャーSQ、1~3月期の法人企業景気予測調査(午前8時50分)と続きます。上値トライで上のゾーンに行けるか、多くの方が考えている様にやはり押し返されてしまうのか、正念場です。

本日の日経平均予想レンジ 16900円―17200円。

日本精密、サイバーダイン、メディシノバ。

おはようございます。
 ようやく相場に春が訪れている感じですが、現実世界には花粉が舞っていて外に出(エントリー)たくない方も多いと思います。ますます個別株物色が高まると思います。

 日経CNBCの方に、7771日本精密と7779サイバーダインのご質問を頂いておりますので、ここでお答えしたいと思います。

 7771日本精密は、2月27日のブログでも解説しておりますが、大量保有報告書で「コマンドN」と言うところが登場し、手口から見るとその後も買い続けているようです。筆者は、日本精密の将来性や、岡林社長のものつくり人(びと)としての真摯な経営姿勢や、それを助ける経営陣の人柄に惚れ、この企業の成長と共に投資家の資産も増えると思って、推奨してきました。これからも期待できる材料が、企業活動の前進と共にリリースされると思っています。ただ、深堀取材をしてきただけに、筆者のこれからのコメントは、短期的に入り込んでしまった「仕手株日本精密」の株価の動きに影響を与えかねませんので、はっきり申し上げておきますが、筆者は「仕手株日本精密」とは一切関係ありません。日本精密本体に対しては、今後も取材を続けますが、短期的株価の動きについては、情報は一切持っておりませんので、今後の筆者の発言についてはそのようにご理解いただきたいと思います。しかし、筆者の複雑な気持ちとは裏腹に、筆者のファンたちは降って湧いた仕手戦に楽しみな気持ちのようですが。

 7779サイバーダインは、深堀取材はしていません。社長とも会っていません。この銘柄を講演会等で紹介しているのは、筆者の投資理論の一つである「日本の趨勢に資金を乗せろ」に1番ぴったりくる銘柄だからです。日本の趨勢は言うまでもなく、人口減少と高齢化です。介護ロボット(HAL)の将来性は抜群で、日本より海外で評価され、夢の企業として期待されてきました。いよいよこのHALが日本でも、希少疾病医療機器として販売承認され、夢が現実になって来ました。ところが株価とは面白いもので、現実に目覚めますと、今まで無視してきた美しくないものが見えて来ます。最大の美しくないものは、「続く赤字」です。今期黒字転換できるかがまずポイントで、その後の利益の伸びが株価を決定する普通の銘柄になっています。それでもその将来性は十分で、投資対象としては推奨できるものです。企業の時間軸と投資家の時間軸は常にずれます。日本の将来に役に立つ企業として応援する気持ちが大事だと思います。

 4875メディシノバのナスダックでの瞬間的波乱について筆者の考えを申し上げます。日本でしたら完全に風説の流布的なネガティブレポートが出た為です。ご存じのように当社は創薬ベンチャーの特徴ですが、10年間売り上げがほとんどありません。その10年間には予定通りに事が進まなかったり、退職者がいたり、色々な事がありました。それを乗り越えて来ている当社の創薬ラインに期待して、アメリカは税金を使って後援しているわけです。
ネガティブレポートはかなり膨大なもので、10年間のいろいろな事実をこれでもかこれでもかと書いています。日本の投資家から見るとびっくりで少し不安になりますね。しかし、これは週刊文春の様な一流週刊誌の告発記事では無く、所謂三流どころのゴシップ記事のようなものです。事実をすべて悪く解釈して書きますが、事実の無い全くのでっち上げではないので、法に触れるギリギリのところに存在するようです。事前に売っておいて下がったところを買い戻す方法です。(もちろんその手口がはっきり判れば罪になるようですが)ところが、よくあることらしく、アメリカの投資家はそんなことは承知の上で、すぐに正常に戻ったという次第の様です。

来週の相場。

おはようございます。
 週末4日のNY株。
 ダウは62.87ドル高の1万7006.77ドル、ナスダックは9.60ポイント高の4717.02ポイント。4日続伸で、ダウは2か月ぶりの1万7000ドル台です。NYSE出来高も前日より2億株以上増えて13億8243万株と活況でした。
 今週最大の注目点となっていた2月の雇用統計ですが、非農業部門就業者数が前月比24万2000人増と市場予想(20万人前後)を大きく上回りました。心配した通り、発表直後は、追加利上げへの警戒感から株は売られダウはマイナスとなりました。ただ、就業者数と同じ位の注目度だった「平均時給」が、前月比0.1%減となったことで、利上げ警戒感が和らぎ、買い戻しが入りました。
 結果的には4日続伸となりましたが、上値も重く、買戻し一巡感もあって、1万7000ドルを超えても一気に上値を買う動きはありませんでした。

 日本株。
 先週2月28日(日)の東洋経済オンラインの筆者のコラムに、「アベノミクス最後の正念場」と書きましたが、気持ちは、来週のSQが終わってから一気の上値トライを期待しています。アベノミクスの目玉であるGPIF改革が失敗に終わり大きな損失が出れば、「大事な国民の年金を政策の道具に使った」として批判を浴び7月の選挙は戦えないからです。
 そのメジャーSQの週が始まります。また、ECB理事会―日銀政策決定会合―FOMCと続く金融政策ロードマップの第1チェックポイントのECB理事会が10日(木)にあります。
 しかし、戦いの条件はかなり良くなってきました。SQを前にして裁定買い残が1兆8000億円に減っています。これから積み上がる可能性が高く株高要因です。
 アベノミクス移動平均と言われる36か月移動平均(16500円)を上回り、心理的負担が軽減されています。
 何よりも、原油価格が底を打ってきた事です。ネックラインの33ドル63セントを越え、26ドル台のダブルボトムが形成されましたが、25日移動平均や、筆者が待望していた35ドルをも超え、直近36ドル32セントです。26ドル台を付けた時、ある2つのファンドが解約されました。それはその筋では有名な当り屋売りファンドでした。一部で記事になっていましたが。この現象が、日本株売りファンドに見られます。売り屋ファンドはドテン買いはしません。目的を達成したら解散です。買いのファンドでも、ある決まり(例えば3割高)で組成され、目標を達成したら解散するファンドもあります。
 この様に市場の風向きは良くなってきましたが、上値を押さえる大きな壁、ファンダメンタルズの壁があります。110円―115円の今の為替レートでは、来期の大幅増益が望めないと言うのが、一般的な見方です。その環境ではPER15倍が割高感の境目と言うのも、ファンド筋に共通しています。つまり、日経平均で言えば、EPS1150円の15倍、17250円を超えると割高ゾーンに入るから買いにくいと言うものです。良好な需給が、このPER15倍の壁を越えられるかどうかが、安倍政権の命運を握っています。

 来週の日経平均予想レンジ 16800円―17600円。

いつもの結論になってしまいました。

おはようございます。
 3日のNY株。
 ダウは44.58ドル高の1万6943.90ドル、ナスダックは4.00ポイント高の4707.42ポイントと小幅続伸。NYSE出来高は11億5585万株。
 雇用統計を前にして様子見の中でしたが、3営業日続伸となりました。
 軟調な原油相場、新規失業保険申請件数の6000件増加、ISM2月の非製造業景況指数小幅低下等の弱い指標で、利益確定売りに押されていましたが、原油価格が上昇すると相場のムードが変わり、ダウは終盤にかけてプラス圏に転じました。しかし、雇用統計を控えてその動きも限定的でした。
 雇用統計が最大の注目点ですが、その数字に対する株価の反応がまだ定まっていません。つまり、強い数字が出た時、追加利上げ観測で、株価は下げるのか、景気の強さを評価して株価は買われるのかが、はっきりしていないと言うことです。

 日本株。
 昨日、ディラーさんやプロサイドの現場に、「春は来ましたか?」と聞いたところ、「来た」と答えた方は、少なくとも筆者が聞いた範囲では一人もいませんでした。多くは戻っても1万7000円台だと言っています。現在の日経平均EPSは1150円です。海外景気の減速を受けて、昨年11月30日の1275.68円から10%程低下しています。115円以下の現在の為替レートだと、来期減益まで行かなくとも、大きな業績の伸びが考えられません。その環境ではPER15倍を超すと高値感が出ると言う考えです。1150円の15倍で1万7250円、戻っても1万7000円台という事になります。しかし、みんなが思っている逆の方向が出るのが相場の常です。そんな警戒感の中で、昨日は今年初めての3日続伸となりました。不安の中で株価は育つと言います。3月相場は、意外な戻りを見せるかも知れません。
 ただ、海外株次第の日本株の構造は変わっていません。ここは日経平均をあまり神経質に見ないで、個別株で攻めるところです。(結局いつもの結論になってしまいました)

 本日の日経平均予想レンジ 16800円―17000円。

 3277サンセイランディックを、「デフレに強い不動産株」として日本証券新聞に書いて見ました。記事を読んでいたら、自分の文章なのに買いたくなりました(笑)。

1日で変わったセンチメント。これが相場だが。

おはようございます。
 2日のNY株。
 ダウは34.24ドル高の1万6899.32ドル、ナスダックは13.83ポイント高の4703.42ポイントと小幅続伸でしたが、前日の大幅高を受けての利益確定の売りと、好材料、悪材料が入り乱れての1日でした。最終的には2月ADP雇用報告が良かったので、週末の雇用統計に好感を持ったようです。

 日本株。
 7時現在のWTI原油先物が34.73ドルと安定して、為替も113円台で、特に海外株が大きく動いたわけではないと言う中庸の環境ですので、今日の日本株は、昨日の大幅高の利益確定売りと、一気に25日移動平均線とのプラスかい離が1.74%になった市場の変化との綱引きになりそうです。25日線は昨日ちょっと上向きになりましたが、今日はまた下向きです。とにかく、短期的せめぎ合いの象徴である25日移動平均線を上回ったことで、マーケットセンチメントは、たった1日で良くなりました。相場とはこんなものですが、ダブルボトムで25日線越え、そしてそれの上向きと言うダウの典型的底入れ形がダマシになってほしくないものです。

 本日の日経平均予想レンジ 16650円―16800円。

 昨日の日経新聞での、大日本住友製薬の非アルコール性脂肪肝炎(NASH)の記事について簡単に考え方を申し上げます。血液診断が出来ますと患者の負担を低減しますのでNASH研究にとって好材料です。NASHの製品化については、提携先のインターセプト ファーマシューティカルズ社の事を言っているだけで新しい事ではありません。2020年「以降」(この以降が大変なのです)を目指す事も。(2014年1月に大日本住友製薬は大幅高していますが、このインターセプト ファーマシューティカルズの株価がNASH材料で1日で4倍になった為です)
 ロシュが特発性肺線維症バイオベンチャーのインターミューン社を8600億円で買収して、世界を驚かせましたが、メディシノバは、NASHと肺線維症の両方で治験が進んでいます。筆者が冗談のように8000億円の時価総額目標と言っているのは、ロシュが下したインターミューン社の価値に由来します。
ただ、このところメディシノバは急騰していますので、ワンクッション入れる方が株価的には良いと思いますが。

不安の中で相場は力を蓄えていたか。

おはようございます。
 1日のNY株。
 ダウは348.58ドル高の1万6865.08ドル、ナスダックは131.65ポイント高の4689.60ポイントと大幅反発。NYSE出来高は11億2888万株。
 日本では材料にならなかった中国人民銀行の追加金融緩和(預金準備率4か月ぶりの下げ)を評価し、買い先行でスタート。その後発表された、2月のISM製造業景況指数も市場予想を上回り、上げ幅を広げました。
 先週末上方修正された10~12月期実質GDP改定値等、堅調な景気指標を好評価していますが、時として「利上げ早まる」で、売り材料にもなっていました。今回の反応を見ると、市場は上に行きたがっているようです。ダウは、ダブルボトムを形成し、25日移動平均線をも抜け、上値トライのチャートになっていましたが、金融株中心のこの上げは、どうやら本物のようですね。原油相場が堅調に推移していることも支援材料です。

 日本株。
 昨日は、政策期待と、続いている不安感が入り混じって、不安定な1日でしたが、その政策期待に大きく影響すると思われる、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の、2015年10~12月期の運用損益が1日遅れで発表されました。前期末から日経平均で1700円も上がっていた時の実績ですから、予想通り4兆7302億円の黒字でした。資産別の運用損益では、国内株式が2兆9660億円の黒字、外国株式が1兆5854億円の黒字、国内債券が3785億円の黒字、外国債券は、やや円高に推移したことで、2179億円の赤字となっています。しかし、15年4~12月期の収益トータルは、7~9月期の7兆8899億円の赤字が響いて、5108億円の赤字となりました。また年明け以降の日経平均3000円の下げで、その赤字幅は当然増加しているでしょうから、3月末でどんな数字を作るか、政策次第です。また、注目の12月末の保有資産割合は、国内債券37.76%(9月末は38.95%)、国内株式23.35%(同21.35%)、外国債券13.50%(同13.60%)、外国株式22.82%(同21.64%)となっていました。国内株式の23.35%はほぼ予想通りの数字ですが、25%を基準とする組み入れ比率に対してマーケットはどんな反応となるのでしょうか。買える力が、まだあるか、もうないか。
 さて、本日はそんな微妙な国内要因を吹き飛ばす海外株高を受けての1日になります。CMEが16530円で帰って来ましたので、25日移動平均(本日推定16450円)を越えて引けることが出来るかが注目点でしょう。予定通り予算を参議院に送った安倍内閣、政策期待が更に高まるでしょう。直近の金融政策については、ECB、日銀、FRBの順でイベントが控えています。個人投資家の今年の投資成績を決める正念場にさしかかりました。不安の中で相場は力を蓄えていたかどうかが試されます。

 本日の日経平均予想レンジ 16350円―16650円。

Return Top