平野憲一の株のお話

アーカイブ : 2016年02月

今日は火曜日ですが、日柄は波乱の水曜日。

おはようございます。
 週明け8日のNY株。
ダウは177.92ドル安の1万6027.05ドル、ナスダックは79.39ポイント安の4283.75ポイントと大幅続落です。欧州株が全面安となったことに加えて、原油先物が一時30ドルを割れた為、朝方から大幅安で、ダウは一時400ドルを超す下落となりました。

 日本株。
 株安・原油安の動きは止まらず、移民流入やイギリスのEU離脱を含めた欧州不安もますます混迷を深め、リスク回避の円買いが継続すると言う、日本株にとって逆風の問題山積です。肝心のアメリカ経済も、今回の雇用統計の評価に見られるように、見方が分かれ不透明感が高まっています。
 先月21日で売り方もひとまず矛を納め、その後強い売り崩しも見られませんでした。16000円までのヘッジ売りが済んでいた為です。昨日もSQがらみと思われる買い戻しが入っていました。しかし、CMEが16500円を割れていますので、500円もゾーンが変わった為、SQの手も変わるかも知れません。木曜日が休みですので、水曜日と言われる波乱日が今日に当たります。強風にしっかり踏ん張りましょう。
 「大塚家具が上がるのではないか。心は、タンスが売れるから」。MMFの募集停止、繰り上げ償還に対する兜町のジョークです。為替が黒田ゾーンの下限に近付いています。何でもやると言っている黒田総裁、年間80兆円の資金供給を100兆円位に上げかねません。リスクオフで退避した資金はどこに行くのでしょうか。タンスに入れておくのも限度があります。最近の金(ゴールド)や長期債の上昇がすごいですね。でもここだけでも吸収しきれません。だったら行先は一つでしょ。

 本日の日経平均予想レンジ 16350円―16700円。

SQの週なので。(振り回されないように)

おはようございます。
 世界情勢は混迷を深め、株価は下がり続けています。
中国が世界中の景気をけん引して突き進んだ北京オリンピックが開かれた2008年8月のわずか1か月後の9月15日に、リーマン・ブラザーズが破たんしました。上海総合指数が史上最高値をつけた2007年10月16日には既に、サブプライムローンの問題は市場の話題にはなっていましたが、まさかのリーマンショックでした。世の中はこういうものです。「陽極まれば陰転す」です。しかし、日経平均は上海がピークをつけた2007年の時の18000円台を抜き2000円ほどの上値を取りました。それだけ日本の力が付いた証明です。今中国の景気の逆流で2000円ほどのビハインドになっていますが、大きな流れの中では、それほど心配する事ではないと思います。いずれ「陰極まれば陽転す」になると思います。そういう冷静な目で見ていると、春に咲く新芽の先がちょっと見えるかも知れませんね。
今日も市場は売りから入りますが、丁寧に対応しましょう。1月の景気ウオッチャー調査が材料でしょうか。春節に入った中国の話題も。

本日の日経平均予想レンジ 16500円―16650円。SQの週なので波乱も。

市場の方向を考えよう。

おはようございます。
 今回の雇用統計の論評を見ると、メディアによって全く違うことに驚かされます。また、同じメディアでも、記事を書く記者によってニュアンスがまったく違っています。例えば「内容は力強さを欠き米景気の不透明感が強まっている」と表現したある新聞は、別の面も伝えています。それは、失業率の4.9%への低下は、米金融当局が「完全雇用」と見なす水準である事。さらに労働参加率が62.7%と、前月の62.6%から上昇している事。また、賃金の伸び率が、市場予想を上回って来た事等は、イエレン議長の思惑通りで、米景気の前進を物語るものとしています。 
それほど今回の数字は微妙だったわけで、マーケットがどちらの意見を採用したか分かりませんが、とにかく下げてリスクオフを選択しました。
 リスクオフとよく言われますが、リスクから逃げる選択をした資金のまったく安全なシェルターは有りません。ドラえもんの腹袋に入れて、必要な時に取り出すなどいうわけにはいきません。アメリカの金融政策は、引き締めではないと、イエレン議長が言っている様に、QEで世の中に出たお金を引き揚げるわけではありません。ECBや日銀は、デフレ脱却という結果が出るまで流動性を高めますから、世界中のカネあまり状態はますます加速します。現実にお金はどこかに置いておかなければなりません。産油国の所得が減っていますが、その分非産油国に移動しています(所得移転)。その移動した所得が、移動先で噴出するところへおカネは集まって行きます。噴出する先、それは企業です。大きく見れば株式市場です。ロングオンリーの投資家が多い(特に個人投資家は)ので、株価が下がる事は好ましい事ではありませんが、下がれば下がるほど、株式投資のチャンスが大きくなっていると思います。市場がどちらを向いているかを、ここで改めて考えるところだと思います。

来週の相場。

おはようございます。
 週末5日のNY株。
 ダウは211.75ドル安の1万6204.83ドル、ナスダックは146.42ポイント安の4363.14ポイントと大幅反落です。
注目の1月の雇用統計の非農業部門の雇用者数は、前月比15万1千人増と発表されました。前月の26万2千人から急減速し、市場予測19万人を下回りました。この数字は利上げ観測を後退させるものですが、失業率が前月から0.1ポイント低下し4.9%となったので、米国としてはほぼ完全雇用状態で、それによって雇用者が増えにくくなっていると理解され、逆に追加利上げへの警戒感が高まりました。1月の雇用者数の増加幅は20万人を下回りましたが、12月は下方修正ですが、11月は28万人に上方修正され、直近3カ月の平均は23万1千人と目安の20万人を上回っています。
 製造業の不調が、ISM非製造業に波及し、今回の雇用統計が注目されていましたが、発表数字が微妙だった為、強弱意見が交錯しました。上記のような意見が多かったようですが、この数字に対して「雇用も低調で、利上げ先延ばし」と取る意見もあります。
とにかく、微妙な雇用統計の数字だった為、ここ2日上がっていた事もあり、ひとまず米投資家は株売りの判断をした様です。
 来週、イエレン議長の議会証言がありますが、今の様なマーケットセンチメントでは、強気を言っても弱気を言っても売られそうです。

 日本株。
 流動性を中心に考える筆者としては、将来の大相場の芽がどんどん太くなっていく感じを受けていますが、目先これだけ下がると、投資家はたまりません。原油、為替に加え、米国経済の不安まで出て、反発のきっかけすらつかめません。頼みの国内企業の業績も、日経平均予想EPSは昨年大納会の1223.16円から昨日現在1137.23円と増えるどころか大きく減少しています。東芝を始め主力企業の下方修正が響いています。
 来週は、木曜日が建国の日で休場で、翌日がSQと言う変則の週になります。最後の波乱があるかも知れませんが、環境に流されていては相場は儲かりません。信用取引の枠を考えている投資家は冒険できませんが、今年最後の買い場になるかも知れません。
 「原油を売っていた当たり屋筋が資金を引き揚げた」「中国国家外為管理局は適格外国機関投資家資本規制緩和」「ECBドラギ総裁はさらなる追加緩和の必要性を強調」等、変化の芽もありますよ。

 来週の日経平均予想レンジ 16300円―17300円。

厳しい環境が続きますが。

おはようございます。
 4日のNY株。
ダウは79.92ドル高の1万6416.58ドルと続伸、ナスダックも5.32ポイント高の4509.56ポイントと小幅反発。

 日本株。
 NY株は強含みですが、それはドル安の為です。円はマイナス金利政策にもかかわらず116円台(7時現在116円78銭)に逆戻りです。期待した主力企業の決算は下方修正続出で、日経平均予想EPSは昨日1159円52銭で、決算発表が始まる前の大納会の1222円46銭から、5.15%のマイナス(減益)となっています。5-10%の増益方向で動くと思われていたので、大きな誤算です。また、本日17000円の大台を割れて16000円台の相場に入って来ますので、ファンド筋の機械的なヘッジ売りもありそうです。
 しかし、筆者の流動性を基準にした相場観から言うと、逆に異次元バブルの大相場の準備が着々と進んでいる事になります。今晩の雇用統計が悪いと、米国の金融政策が変わる可能性(利上げからQEへ戻る)も出て来ます。そうなったらすごい事です。(確率は低いですが)
 目先は、個別株でさばきましょう。日経平均とは関係なく平野銘柄の押し目を買えば良いし、全体の流れの中の銘柄では、マイナス金利でメリットを受ける銘柄をやればよいと思います。借入金の多い企業や、原油安のメリットを受ける企業も良いです。電力株は両方のメリットを受けますね。化学株でも昨日大陽日酸(4091)が大幅高している様に、決算の良いものは集中的に買われています。内需系中小型株中心で、ここはしのぎましょう。悪役の商社(借入多い)、銀行(超割安)もここまで下がると「もう」良いのではないでしょうか。

 本日の日経平均予想レンジ 16750円―16900円。

マイナス金利で円高ではしゃれにならない。

おはようございます。
 ダウは183.12ドル高の1万6336.66ドル、ナスダックは12.71ポイント安の4504.24ポイントでした。NYSE出来高は11億9517万株。
 注目のISM1月非製造業景況指数が市場予想を大幅に下回って、製造業の景況感悪化がサービス業にまで波及している現実を目の当たりにして、ダウは午前中、190ドルも下げる場面がありましたが、NY連銀のダドリー総裁が年内4回の利上げは困難との見方を示すと、ドル安が進行し、原油価格が10%も急反発しました。同時に、株式市場でも買い戻しが入り、ダウは大きく切り返しました。
 
 日本株。
 昨日は思ったよりも下げ幅が大きくなりましたが、午前中早い時間に底値を確認した後は、そこばい状態で、売り崩しがあったという感じよりは、買い方が様子を見たと言う感じでした。場中に伝えられた黒田日銀総裁の講演内容は、総裁の強い意志を感じさせるもので、完全に売り方短期筋の行動を押さえています。
 しかし、下げの原因だった原油価格は反発しましたが、それを誘引したドルが急落しています。主要6通貨に対して1.7%を超える下げで、ドル円は118円(7時20分現在)です。今日の東京市場は、昨日売られた買い戻しと言うより、昨日割れなかった17000円の攻防戦になりそうです。企業決算も不調で、1月26日に1203円だった日経平均EPSも、昨日現在1169円ほどに低下しています。
 ただ、マイナス金利の世の中で、4%前後の配当利回りを誇る増益企業は魅力です。選別物色の相場になると思います。良いものは買われますので自信を持って行きましょう。大きく売られている銀行株も、マイナス金利のダメージは微小です。8316三井住友の更に増えるかも知れない140円配当は魅力です。

 本日の日経平均予想レンジ 16900円―17100円。マイナス金利で円高ではシャレになりません。為替を見ての展開になると思います。

高くて買えなかった個別株が安くなると良いですね。

おはようございます。
 2日のNY株。
 ダウは295.64ドル安の1万6153.54ドル、ナスダックは106.72ポイント安の4513.65ポイント。WTI原油先物が続落で、再び30ドルを割れました。欧州株が全面安となったことも嫌気され、終日売りに押され、ダウは一時340ドルを超す下げとなっていました。

 日本株。
 価格帯別で見る抵抗ゾーンであった日経平均17500円前後を簡単に突破し、1/3戻しの17659円をも達成し、状況によっては更に上値を狙う強さを見せていた日本株ですが、世界情勢はまだ不安定です。原油価格が30ドル割れ、121円台を付けた為替も再び119円台、今日も売りに押されそうです。
 しかし、日本のマイナス金利導入は世界に評価され、売り勢力を押さえています。原油安は世界の材料で、以前のように日本を集中的に売り崩してくる事は無いと思います。今日も全体的には我慢の日ですが、狙っていた個別株がこのところの反発で思う様に買えなかった投資家には、ひとまずこの押しは買いタイミングが来たと言えるのではないでしょうか。押し目待ちに押し目が来て、1413桧家HD、4304Eストアーが下がってくれればよいのですが・・。7771日本精密の決算については、会社側は売上高の19%増、営業利益の231%増をもっと評価してもらえると思っていたようです。現状はすこぶる順調のようですよ。4875メディシノバが昨日のバイオセクター買いに乗って一緒に上がりました。ようやくメジャーになったかと感無量です。

 本日の日経平均予想レンジ 17400円―17550円。

ま、ゆっくり行きましょう。

おはようございます。
 週明け1日のNY株。
 ダウは17.12ドル安の1万6449.18ドル、ナスダックは6.41ポイント高の4620.37ポイントとまちまちでした。原油価格が再び7%も下落したため売りが先行しましたが、引けにかけ持ち直しました。

 日本株。
 寒いベットからなかなか出られなくて、NHKラジオを聞いていたら、経済評論家の内橋克人氏の話が流れて来ました。今年の春闘に関する評論ですが、最初に「アメリカも396ドル高の後早くも大きく下げています」と言ったので、飛び起きてパソコンを付けたら、上記の結果で安心しました。
 さて、NYの相場論で、20%動いた方向にそれは継続すると言うのを話題に、ここのところブログを展開していますが、順張り論の20%は今、逆張り論の20%ではないかと言うのが「2割高下に向え」でした。
 16000円から日経平均はどこに行くのかが、投資家にとって最大の関心事ですが、下値16000円を割れる可能性は別にして、高値20946円のどこまで戻るかの「戻り理論」があります。最近は黄金分割が盛んに使われます。チャートを絵画的にとらえて分析する事ですが、1:1.618、約5:8のバランスが最も美しいそうです。下げ幅の61.8%の戻しが美しい姿となります。下げ幅4929円(20946-16017)の61.8%(3046円)を戻すと19063円です。逆張り論20%と一致しますね。他に、1/2とか1/3とかざっくり見る投資家もいます。1/2戻しは18482円、1/3戻しは17659円(これは達成)です。「半値(1/2)戻しは全値戻し」という相場格言もあります。ま、ゆっくり行きましょう。
 今日は、為替もNYも「一服」程度ですが、原油が7%近く下げています。1/3戻り達成という事もあって、若干利確に押されそうですが、ま、ゆっくり行きましょう。
 決算が若干不透明ですが、日経平均EPSはまた1200円台に戻って来ました。

 7771日本精密が週末の決算発表後弱含みですが、心配ないと思っています。売り上げが前年同期比で19%増と好調です。営業利益が231%増なのに経常利益が22.5%減で不安に思うかも知れませんが、工場の規模が大きくなっている事と人件費等の為替関係の為です。ま、ゆっくり行きましょう。

 本日の日経平均予想レンジ 17700円―17900円。

2割高下に迎え?

おはようございます。
 黒田バズーカ第3弾に対するこの土日のメディア報道を見ると、もろ手を挙げているのは筆者だけの感じです。やれ効果が無い、やれ緩和疲れなどとネガティブな意見が並んでいます。これで何かが変わり、すぐにデフレ脱出できる状態でないのは分かっていますが、結果がすぐにでないなら出るまで続けると黒田総裁は言っているわけですから、世の中の評価そのものが、次に来る事態を招くという事を分かっているのでしょうか。筆者が今まで言い続けている異次元流動性バブルを想像できないのでしょうか。筆者はそれを夢見て、「安いところはひたすら買うべし」と申し上げています。
 さて、バブル現象が起きるのはまだ先ですので、目の前を考えましょう。昨日書いたように、今週は20%上がって強気相場になった原油価格と、20%下がって弱気相場になっている日経平均との勝負です。どちらかが間違っているか、あるいは両方とも間違っているか。もし日経平均の弱気相場突入が正しいとすれば、16000円で売った投資家が儲かる事になります。しかし、もしその16000円から20%上がった19200円になったら逆に強気相場に戻ります。従って16000円で売った投資家は、19200円でドテン買いになります。なんとなく嫌なイメージになりませんか。その昔非常に有効な相場格言に「3割高下に迎え」と言う逆張り論がありました。今の世界情勢を考えると、3割上がる事はかなり厳しいです。逆に、世界の主要中央銀行が一体となっているので、3割も下げさせません。そこでしばらくは「2割高下に迎え」が良い様な気がします。そうなると19000円前後は買ってはいけないという事になります。
 個別株で楽しみましょう。平野銘柄でずっと休んでいた1413桧家HD、子会社1419日本アクアが動き出していますね。今週安いところがあれば買ってください。値が飛んだらやめて下さいね。
今日は1月の中国製造業PMI(午前10時、国家統計局)と、財新製造業PMI(午前10時45分、英マークイット)が注目です。

 本日の日経平均予想レンジ 17750円-17900円。 

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